rAinbow teArs～osanm～pArt9 (ページ9)

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なんとか拘束を解こうと

手足を動かし

もがき続けたが

結局どうする事もできなかった

そのうち体力もなくなり

今は俯いている智

壁や天井の距離感もわからない程白い部屋は

時間の感覚すらわからなくなる

あれからどれだけの時間が経ったのか

智には全くわからない

『少しは落ち着かれましたか？今は夜中の1時を回ったところです。眠くはありませんか？体勢を変える事はできませんが、眠っていただいてもかまいませんよ？』

智を気遣うように話す東

しかし声色に温かさはない

機械的に発せられる言葉には応えず

智は顔を上げて尋ねた

智「皆は、無事なのか？」

『“皆”とは、誰の事でしょうか？』

智「とぼけんな。俺の仲間だよ。」

『あぁ。無事ですよ。智様を返却した事で、彼らの仕事は終わりましたから。』

智「…………そっか。」

東の言葉を聞き

安心した智は思わず息を吐く

そこに再び東の声が降ってきた

『あんな虫けら共の心配等なさるのですか？』

智「虫けらって、なんだよそれ。」

『社会に必要とされない人間は、虫けらで十分でしょう。』

智「俺の仲間をﾊﾞｶにするな。」

『智様にはもっと相応しい仲間がいらっしゃるではありませんか。あんな虫けら共等、早く見捨てていただかなくては困ります。』

智「俺の仲間は、翔くんと相葉ちゃんとニノと松潤だけだよ。」

『智様の仲間は、青嵐会です。』

智「違う。」

『あなたは青嵐会のﾄｯﾌﾟになるお方です。』

智「俺が誰の息子とか、そんなの関係ない。育ったあの街で、俺は皆と生きていく。」

『さて、いつまでそんな甘い事言っていられますかね。』

智「どういう意味だよ。」

『そのうちわかりますよ。』

最後にそう言って

東の声は途絶えた

智「……………はぁ。」

大きく息を吐き

智は俯いて目を閉じる

上下･左右･前後の壁の距離感すらわからない程白い部屋

それを数分眺めていただけで目眩が襲う

“早く出なきゃここはﾔﾊﾞｲ”

智は心のどこかでそう感じ

焦っていた

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