rAinbow teArs～osanm～pArt9 (ページ8)

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WHITE ページ8

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『漸くお目覚めですか、智様。』

ぼ～っとしていた頭が冴えてきて

智はゆっくりと重い瞼を持ち上げる

すると頭上からそんな言葉が降ってきた

『外はもう夜ですよ。』

何度か瞬きを繰り返すと

霞んだ視界もはっきりしてくる

その視界に映り込んだのは

何もない真っ白な部屋

そしてｲｽに座った状態で

白い布で拘束された手足

視界の端に映る自分の髪以外は

全てが白の世界だった

『手荒な真似をして、申し訳ありません。しかし暴れられては困りますので。』

智「ここはどこ？」

『青嵐会の所有する施設にある部屋でございます。気に入っていただけましたか？』

智「最悪だね。趣味悪いよ。」

姿を見せない東にむかって

智はそう言った

そして声が聞こえてくる天井を睨む

智「で、俺は返却されたんだ。」

『はい。』

智「でも俺はお前らと会った事はないし、青嵐会と関わった事もない。俺が青嵐会に返却される意味がわかんないんだけど。」

『関わりならございます。』

智「どこに？」

『我らが会長、流(ﾘｭｳ)様と。』

智「は？」

『大野智様。あなたは青嵐会会長･大野流の一人息子です。』

智「………………えっ？何、その冗談。全然笑えねぇ。」

『冗談ではございません。』

智「…………。」

『たった一人のご子息。それなのに智様は行方不明。探しましたよ。日本中、あらゆる所を。』

智「それで、見付けたんだ。」

『はい。』

智「いつ？」

『今年の春。道端で偶然会った女性から、紅白のﾍﾋﾞを運ぶ依頼を受けましたね？』

智「受けたけど…。」

『あれは青嵐会のﾍﾋﾞ。それを彼女が勝手に持ち出したのです。そして彼女からあなたの存在を知り、調べた結果、智様だとわかった。』

智「なるほどね。」

『彼女は優秀な研究員でしたよ。最期まで。』

智「最後…？」

『規則を破った者には罰を与えねばなりません。例え智様を見付ける手がかりを掴んだ者でも。』

智「………彼女はどうなった？」

『研究員から検体となりました。』

静かに発っせられた一言

その意味を智はすぐに理解する

智「お前、ふざけんな!!そんな非人道的な事があってたまるか!!」

『智様、あなたの知る世界は狭い。世界はもっと広く、深いのですよ。』

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