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雅「翔ちゃん、これ。」
翔「あぁ。ありがと。」
雅「……2人に、なっちゃったね。」
下りたｼｬｯﾀｰを見ながら
雅紀がぽつりと呟く
少し寂しそうなその横顔を見つめ
翔は雅紀から受け取った銃を強く握りしめた
翔「でも大丈夫だろ。うまく分かれたし。」
雅「どういう意味？」
翔「まぁもしも、俺とニノ･相葉くんと松潤、ってな感じに分かれてたら、俺とニノは確実に生き残れない(笑)」
雅「あっ、なるほどね(笑)しっかり翔ちゃんを守ります!!」
翔「よろしくお願いします!!」
雅「じゃあ、行く…？」
翔「だな。」
先程まで浮かべていた笑顔を消し
2人は右側の通路に足を踏み入れた
緩い下り坂になっているその通路は
左に向かってｶｰﾌﾞしている
雅「そういえばさ、さっきニノと松潤に、“ずっと先で繋がってる可能性が高い”って言ってたけど、あれってどういう意味？」
翔「簡単だよ。今俺達が歩いてる通路は左にｶｰﾌﾞしてるけど、反対側は右にｶｰﾌﾞしてた。つまり、この通路は円形の可能性が高い。」
雅「あっ、そっかぁ。」
翔「ただ、微妙に下ってる事を考えると、螺旋状になってる可能性もある。」
雅「もし螺旋状だったら、反対側のニノと松潤には…？」
翔「会えない。」
雅「うわぁ、それ最悪。」
周囲の気配を気にしながらも
そんな風に会話をしながら進んでいた翔と雅紀
しかし突然雅紀が立ち止まった
翔「どした？」
雅「翔ちゃん、ちょっと残念なお知らせ。」
翔「えっ？」
雅「こっちﾊｽﾞﾚかも。」
そう言って
雅紀は少し前方の壁を指さす
壁も床も天井も真っ白な通路で
それはすぐに目に留まった
壁を伝う紅い跡
翔「………血？」
雅「うん。変色してるから、最近のものじゃないだろうけどね。」
翔「過去に、俺達みたいな侵入者がいたって事か。」
雅「これは、ちょっと気合い入れた方がいいかもしれないなぁ。」
大きく一つ息を吐き
雅紀はﾈｸﾀｲを緩め
ｼﾞｬｹｯﾄの袖を捲る
雅「翔ちゃん、後ろ側気をつけて。あと、俺から離れないで。」
翔「わかった。」
未だ敵の気配はないが
辺りは妙な緊張感に包まれる
この先に待つのは
確実に敵
戦闘を避けては通れぬ道だった
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作者名：風 | 作成日時：2012年10月19日 21時
