rAinbow teArs～osanm～pArt9 (ページ17)

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『おっ、やる気になったか？』

座り込んだまま小さな声で話していた翔と雅紀

しかし意を決して立ち上がった2人を見て

坂本は楽しそうに声を上げた

『お手並み拝見、だな。』

そして自分は後ろへと下がる

その姿を見届けて

翔と雅紀は同時に左側へと走った

先程まで背後にあった穴は

自分達の右側へと位置を変える

『行け。殺すなよ。』

坂本のその言葉を合図に

男達が一斉に動き出す

そこへ雅紀が飛び込んだ

そして先頭にいた数人を

一気に左側の壁へと蹴り飛ばす

壁にぶつかり動きの止まった男達

その足を翔が撃ち抜いた

『へぇ。なかなかやるなぁ。』

一瞬の出来事に

坂本も驚いた様子を見せるが

そんな事は気にも留めず

雅紀は男達の攻撃をかわしながら

次々に蹴り飛ばす

しかしその脇を縫って

2人の男が翔に向かって走り出した

雅「翔ちゃん!!」

翔「お前は自分のやる事に集中しろ!!」

思わず声を上げた雅紀にそう言葉を返し

翔は向かって来る男達に銃口を向ける

そして迷う事なく肩と足を撃ち抜いた

その様子を視界の端に捉えながら

雅紀は大きく足を振り下ろす

そして空間は再び静かになった

『…………いやぁ、さすがだね。予想以上だよ。』

離れて様子を見ていた坂本は

拍手をしながら少し近付く

『正直、ここまであっさり俺の部下がやられるとは思わなかったよ。しかも君達は無傷。』

翔「…………。」

『最初に左に動いたのは、利き足が右だから、こいつらを壁に当てる為。いや、穴に落として殺さない為…か。この判断を下したのはどっちだ？』

雅「俺だよ。」

『へぇ、意外だな。お前かなり戦い慣れてるのに、何故殺す道を選ばない？』

雅「…………。」

『まぁべつにいいけどさ。その考え方は、いつか自分を追い込むぞ。』

雅「俺は誰も殺さない。」

『はぁ、立派だね。でも俺はそんな甘くないぜ。』

坂本はそう言った瞬間

雅紀に向かって走り出し

その体を蹴り飛ばした

翔「雅紀!!」

雅「………ってぇ。」

一瞬にして雅紀は翔の足元に転がる

『俺も足技が得意なんだよ。さぁ、強いのはどっちかな？』

微かに笑みを浮かべる坂本

その姿を見つめる翔と雅紀は

初めて本当の恐怖を感じていた

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