rAinbow teArs～osanm～pArt9 (ページ16)

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雅「え～っと、音がしないっていうのは、どういうこと…？」

翔「想像もつかないくらい深いか、底に液体とか何かがあるか。」

雅「なるほど。」

翔「とにかく、この穴に落ちたら最後、助かる見込みはないって事だな。」

『その通り。』

突然背後から聞こえた凛とした男の声に

翔と雅紀は思わず振り向いた

『落ちてくれたら楽だったのになぁ。まぁここまで来るくらいだから、落ちなくて当たり前か。』

翔「………誰？」

『これは失礼。東様の部下で、坂本だ。お前とはこの前会ったな。』

坂本と名乗った男は

2人からは離れた場所から

よく通る声でそう言って雅紀を見た

翔「えっ、いつ会ったの?!」

雅「ﾘｰﾀﾞｰが連れて行かれた日。俺、あいつにやられたんだ。それも一瞬で。」

翔「………嘘だろ？雅紀が一瞬で？」

雅「ﾏｼﾞだよ。あいつかなり強い。」

『そんな強くないって。俺なんて所詮、東様の部下だ。』

黒のｽｰﾂをｻﾗﾘと着こなし

腕を組んで立つ姿は凛々しく

なんとも男らしい

年齢は2人よりも更に上のようだ

雅「俺達を始末しに来たの？」

『ﾊｯｷﾘ言うね。俺、そういうの好きだなぁ。』

翔「で、どうなんだよ。」

『まぁ単刀直入に言えばそうだね。』

雅「ﾘｰﾀﾞｰを返す気はさらさらないと。」

『こっちにはこっちの事情があんだよ。時間がないんだ。』

翔「どういう意味？」

『さぁ？これ以上は話せないなぁ。どうせ始末されるんだ。聞いても意味ないだろ？』

そう言って微かに笑う坂本

その背後から数人の男達が現れた

『俺の部下だ。そこそこ強いと思うけど、君達は勝てるかな？』

坂本と同じく黒いｽｰﾂに身を包んだ男達

その数は20人強

対してこちらは2人だ

雅「翔ちゃん、松潤がくれた銃、弾は何発あるの？」

翔「詳しくはわかんないけど、予備も一緒に付いてたから、20ちょいぐらいだと思う。」

雅「20ちょいかぁ。ｷﾞﾘだね。」

翔「俺、あんま自信ないんだけど。」

雅「止まってる相手なら撃てるでしょ？」

翔「えっ？」

雅「俺がなんとか倒すから、あいつらの太股狙って撃って。」

翔「おい!!いくらなんでもそれは無茶だ

雅「弾の予備もないし、確実にいくにはそれしかないよ。」

翔「…………。」

雅「俺の事は撃たないでね。」

翔「……わかってるよ。」

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