rAinbow teArs～osanm～pArt9 (ページ12)

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『人は皆、“永遠”を求めている。それは人や物であったり、関係性であったり様々だ。この研究はそんな“永遠”に対する挑戦なのだよ。』

潤「で、その結果がこれかよ。」

『美しいだろう？』

潤「これのどこが美しいんだよ。意味わかんねぇ。」

『そう言う君でも、“永遠”は求めてしまうものなのだよ。』

潤「俺はそんなも

『例えば、今君が大事そうに守っている彼が、もし突然死んでしまったらどうする？彼でなくてもいい。君の大切な仲間が死んだら、願ってしまうのではないかね？生き返ってほしいと。』

潤「…………。」

『その願いこそが“永遠”を求める気持ちだ。人間しか持たぬ、尊い感情なのだよ。私はその手助けをする為に、こうしてここで研究している。そして完成したのだ。』

水槽を見上げ

研究成果を誇らしげに話す男

潤はそれに答える事が出来ず

思わず男から目を逸らし

和也を抱く腕に力を込める

その様子をずっと聞いていた和也は

ゆっくりと潤の肩を叩いた

和「………潤くん、放して？」

潤「和、でも…。」

和「大丈夫。わかってる。全部、わかってるから。」

少し力の緩んだ潤の腕の中から抜け出し

和也は水槽を見上げた

その中には何匹もの動物と

一人の女性がいた

まるでただ眠っているだけかのように

穏やかな表情で

薄い緑色の液体に包まれ

そこに居る

和「ﾏﾀﾞﾑにその“永遠”を与えたのは、あなた達だったんですね。」

潤「えっ?!」

和「ﾊﾟｿｺﾝの中にﾃﾞｰﾀがあった。ﾕｳとﾄｳﾏを縛り付けたあの水槽は、こいつらがﾏﾀﾞﾑに与えた物だったんだよ。」

和也の言葉を聞き

潤は慌ててﾊﾟｿｺﾝの画面を確認する

不可思議な記号で埋め尽くされた画面

その中に

ﾏﾀﾞﾑの写真や名前

そして水槽を与えた日付が表示されていた

『ﾏﾀﾞﾑ…ﾏﾀﾞﾑ……あぁ、あの試作品を欲しがった女の事かね？』

和「そうだよ。」

『まだ試作品だというのに聞かなくてね、面倒な女だったから覚えているよ。』

潤「試作品って、この完成品と何が違うんだよ。」

『この研究は元々、死者を保存する為に始められたものだ。つまり腐敗を食い止める能力が最も求められる。しかし、試作品にその能力はない。』

和「どういう意味ですか？」

『試作品に、死者を入れてもすぐに朽ちてしまうのだよ。』

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