素直になれたらよかった【降谷零】

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「それでさー、元カレがヨリ戻そうとしてきてめんどくさいから逃げてきたの」

「そうなんだ……愛されてるね〜」

「そりゃないわ。あいつから別れようって言ったんだよ」

「それは酷い」

「でしょ〜！？」

陽向は愚痴をこぼしつつも、目の前のケーキをどんどん食べていく。私が食べる速度の3倍くらいではなかろうか。

「それにしてもよく食べるね」

「これのために朝ごはん抜いたんだもの」

「だとしたってすごいよ……もう元は取れてるだろうから無理しないでね」

「はいはい。」

私はこれ以上食べたら胃がもたなそうなので、食べるのをやめた。

「んで、Aのほうはどうなの？」

「へ？なにが」

「レンアイだよ、恋愛！」

まあ聞かれることは予想していたし、言えないことではないし、むしろ誰かに吐き出したいくらいだし、

「相談ってほどでもないんだけど……」









今までのことを全部洗いざらい話した。俺と交際してることは秘密で、と零に口止めされているから、名は伏せて。

「はあ〜随分とオトナな恋愛をしていらっしゃいますね」

「茶化さないでよ、それに全然大人じゃないし」

「ごめんよ」

「許す」

「やったね。

…………彼氏さん、きっとまだ自信がないんだよ」

耳を疑った。

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