素直になれたらよかった【降谷零】

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零と別々になって以来使っていなかったダブルのベッドに沈む。その感触は昔と少しも変わらなくて、タイムスリップしたような気分になる。
隣に零がいることも、その要因の一つかもしれない。

「ちょっと無理させたな、ごめん」

「ううん。全然大丈夫」

「そうか。……A、眠そうだな」

「うん……ずっと寝れなかったのに。零がいるだけでこんなに違うんだね」

零は寂しげに笑って、私にキスを落とした。

「今日は楽しかったか？」

「あたりまえでしょ。楽しいことだらけだったよ」

「よかった。ほら、もう寝ていいぞ」

零の腕に優しく抱かれて、急に瞼が重くなる。

「おやすみ……れい、あいしてる」

「俺も愛してる。おやすみ」

甘ったるい言葉を交わしてから、深い眠りに落ちた。









真っ白い光が差し込んで、私は目を覚ました。慌てて隣を見ると、零が私をじっと見ている。夢ではなかったと自覚して、ちょっとほっとしたのは秘密。

「おはよう」

「おはよう、A」

久しぶりにおはようのキスを交わす。過ぎた時間が戻ったような気がして、心がふわふわと浮わついているのがわかる。

「ん〜……お腹すいたね」

「そうだな。俺がなにか作ろうか？」

「いいの？ありがとう」

どんな朝ごはんを作ってくれるんだろうと期待しながら、歯磨きでもするとしようか。

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