page30 ページ30
零がシャワーを浴び終わるのを待ちつつ、あまり面白くない深夜ドラマを見る。
待つ時間というのはどうにも退屈だ。
なにか面白いことはないかと探してみても、心が浮ついて全く思い浮かばない。
結局、そわそわしながら待つしかなかった。
「入るぞ」
「あ、うん。」
リビングに入ってきた零の髪はまだ濡れている。なんだか雰囲気が違っていて落ち着かない。いや、落ち着いていないのは前からだけど。
「A、見蕩れすぎだ」
本人に指摘されてぐうの音も出ない。かっこいいから仕方ない。惚れた弱みだ、全く。
「髪の毛乾かそうよ」
零のところにドライヤーを持っていくと、零は「乾かしてくれないのか?」なんて訊いてくる。こいつ、確信犯だ。
ドライヤーの騒音で、テレビの音も聞こえなくなった。胸くそ悪い昼ドラだったら違ったかもしれないけれど、音声がなくなるだけで内容のつまらなさが伝わりにくい。
そして、つまらなさが分からないとしても不自然なくらい、零はテレビの画面を凝視している。なにか面白いものでもあるんだろうか。
「何を見てるのー?」
聞こえないだろうと分かっている上で、零に話しかける。零は、意外にも私に視線を向けて何かを喋った。
(聞き取れなかったのは、私のほうか……)
おおかた髪の毛が乾いたのでドライヤーを止める。
「ありがとう」
「どういたしまして。さっき、何訊いたか分かったの?」
「ああ。耳はいいんだよ」
そっか、私は聞こえなかったなあ、なんて返すと、仕方ないさと笑われた。
「隣、座って」
言われるままにソファに座った。間髪入れずぎゅっと抱き締められて驚いた。
できる限りの力で抱き締め返すと、零は少し笑って私にくちづける。
「寝室行こうか」
「……うん」
刺激的で甘い夜になりそうだ。
392人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
キラッ☆ - 楽しみだー!(((o(*゚▽゚*)o))) (2018年3月21日 18時) (レス) id: bf28a6a1d3 (このIDを非表示/違反報告)
りんごさいだー(プロフ) - 初めましてで、申し訳ないですけど、コナンの世界は東京ではなくて、東都ですよ。 (2018年3月17日 12時) (レス) id: 7a2087a38b (このIDを非表示/違反報告)
陽夕(プロフ) - キラッ☆さん» 初めまして。コメントありがとうございます(*´`)萌えを提供できたなら何よりです〜!ふたりの関係が進展するまで長くなる予定ですが、最後まで見届けていただけたら嬉しいです! (2018年3月7日 18時) (レス) id: c327857695 (このIDを非表示/違反報告)
キラッ☆ - 初めまして!夢主ちゃんと降谷さんの関係が胸キュンでベットで騒いでおります。カッコいいわ〜好きだわ〜(*´∇`*)いつの日か二人が幸せになれることを楽しみにしています! (2018年3月7日 11時) (レス) id: bf28a6a1d3 (このIDを非表示/違反報告)
ロジャー@ラフレシア - 紅月さん» はじめましてでーす!面白かったですよ! (2018年3月7日 7時) (レス) id: 45de3e34a5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:陽夕 | 作成日時:2018年3月4日 17時