検索窓
今日:5 hit、昨日:30 hit、合計:296,762 hit

宝石のような瞳。ーバーボンsideー ページ7

(まったく、なぜ俺がこんな所に。)

デパートで一人、柱に寄りかかって化粧品を買うというベルモットを待っている。

今週はずっと組織、つまりバーボンとしての仕事が続いていた。

それも今朝終わり、ようやく帰れると思ったらベルモットに運転を頼まれたのだ。

(だいたい自分だってバイクがあるじゃないか。)

しかしそんなことを思ってはいても、" バーボン " が " ベルモット " に逆らうことは許されない。

柱の影から身を少し乗り出して様子を伺うと、どうやらひとつの店に絞って商品を見ているようだった。

そこに、彼女の後ろから店員が話しかけているのが見えた。

ふたりともこちらに背を向けているため、顔は見えない。

(はぁ...早く帰ってAに会いに行きたい。)

ため息をついてまた柱によりかかる。
こうすると俺からはベルモットはもう見えない。
ふと思い立って、上着のポケットからスマホを取り出す。

そして" バーボン " ではなく、電源を落としていた" 安室透"のものを起動させた。

SNSアプリを開くと、いくつかの通知があった。
それをスクロールして、差出人をザッと眺める。

一番期待していた名前は無かった。


『、、、、。』


いや、分かってはいる。

彼女はきっと仕事が忙しくなると言っていた相手に、むやみに連絡をするタイプではない。

分かってはいるが.....

少しくらい寂しがってくれてもいいのではないか。

寂しいような、苛つきのような、よく分からない感情が沸いた。

そしてもう一度電源を落とし、ふぅ、と二度目のため息をついて目を閉じた。

(まぁ正直まだ実感もそんなにないよな。俺だって送ってないんだからお互い様か。)

そんなことを考えていると人の気配を感じた。

『おかえりなさい、ベルモット。』

言い終わると同時に目を開けると、機嫌のよさそうな彼女がそこにいた。

「よく分かったわね。ふふっ、可愛い子に巡り会えたわ♪」

(へぇ...珍しい。さっきの店員か?)

先程ベルモットがいた店の方を見てみたが、それらしき店員はすでに他の客についていた。

(顔は見えないが背格好はAと似てるな。)

今日は金曜日だ。Aが帰る頃に会いに行こう。
明日は午後から公安に顔を出すだけだから、彼女が良いと言ったら泊まることもできる。
自然と頰が緩みそうになった。


『さて、ベルモット。お送りしますよ♪』

「あら、ご機嫌ね?何か良いことでもあったの?」

『えぇ、まぁそんなところです。』

作者の独り言。→←宝石のような瞳。2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (748 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3578人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

やっち(プロフ) - えっ終わりですか?続きが読みたいです (2022年4月18日 19時) (レス) @page16 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - 好きです!これで終わりですか?めっちゃ面白いので最新待ってます頑張ってください! (2020年3月22日 10時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
壟薇 - チュキ(≧∇≦) (2019年9月25日 18時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 好きです。更新頑張ってください! (2019年5月20日 11時) (レス) id: a6030a90d7 (このIDを非表示/違反報告)
梨王(プロフ) - ルートさん» コメントありがとうございました!夜しか眠れないなんて...朝もしっかり寝ましょう!?(ovo) (2019年3月17日 18時) (レス) id: 2a5069a4c7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:梨王 | 作成日時:2018年5月9日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。