宝石のような瞳。2 ページ6
『宝石みたい....』
キラキラと輝く翠につい見惚れて、言葉に出してしまった。
一瞬驚いたように目を開いた女性を見て、ようやく我に返る。
『あ、すみませ、じゃなくてSorry...』
「いいわよ日本語で。私の目の色が気に入った？」
彼女の日本語はとても流暢だった。
『ありがとうございます。あの、すごく綺麗な色で見惚れてしまいました... 日本に来て長いんですか？綺麗な発音ですけど...』
「そうね、仕事で来てるうちに覚えたのよ。もともと言語を覚えるのは得意なの。」
そういって軽く微笑んだ彼女は、とても美しい。
「このアイシャドウ、すごく綺麗な色が揃ってるわね？どれにするか迷っちゃうわ。」
『あ、ありがとうございます！季節限定なんですけど、拘ったカラーなんです！！！』
思わず満面の笑みで答えてしまった。
自分の企画したシリーズを褒めてくれたのだ。
お客様からお褒めの言葉を直接頂けるのはすごく嬉しい。
そんな私を見て、彼女はクスクスと笑った。
「貴女、綺麗な顔してるけど中身は可愛いわね。気に入ったわ、このシリーズを下地から全部頂戴。」
『え！？全てですか！？』
自分で企画しておいて何だが、決して安くはないシリーズだ。
全て揃えたら桁が変わる。
「えぇ。さっき拘ったカラーって言ってたし、すごく嬉しそうだったでしょう？このシリーズ、貴女が考えたものなんじゃないの？」
『あ、あの、はい....普段は私、商品企画部におりますので新シリーズ等を企画しているんです。』
そう言って私は名刺を差し出す。
「もらっていいの？ありがとう。」
名刺を受け取るその指先までも綺麗だった。
「じゃあ早速、会計をお願いね。」
『はい！』
カウンターで化粧品を詰めている間、彼女は携帯でメールか何かを打っているようだった。
『お会計失礼します。お支払いは...』
「カードでお願い。はい、これで。」
......黒い。カードが、黒い。
滅多に見ないブラックカードに内心ドキドキしながら受け取る。
『ではお預かりいたします。』
会計が済み、店の外まで見送りに行く。
「ありがとう、A。」
(そっか、外国では敬称はつけないよね)
『いえいえ、ぜひまたお越しください！』
「えぇ、それじゃあね♪』
そう言って去って行く女性。
ある程度行ったところで私は他のお客様のところへ行こうと、背を向けた。
その背後で彼女、ベルモットが自分の知っている人と合流したことも知らずに。
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やっち(プロフ) - えっ終わりですか？続きが読みたいです (2022年4月18日 19時) (
レス) @page16 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - 好きです！これで終わりですか？めっちゃ面白いので最新待ってます頑張ってください！ (2020年3月22日 10時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
壟薇 - チュキ（≧∇≦） (2019年9月25日 18時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 好きです。更新頑張ってください！ (2019年5月20日 11時) (レス) id: a6030a90d7 (このIDを非表示/違反報告)
梨王(プロフ) - ルートさん» コメントありがとうございました！夜しか眠れないなんて...朝もしっかり寝ましょう！？(ovo) (2019年3月17日 18時) (レス) id: 2a5069a4c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梨王 | 作成日時：2018年5月9日 7時
