帰り道。1 ページ2
『あの、安室さん？片手で運転は危なくないですか？』
陣平の御墓参りの後、私たちは車に戻り帰路についていた。
あのときなぜ安室さんが「ありがとう」と言ったのかは分からないけれど、泣きそうな顔をしていたことが気になる。
せっかく買っていた花も、なんと陣平のお墓に供えていた。
元々渡す予定だった相手はいいのかと思ったけれど、陣平に供えてもらえたことは素直に嬉しかったから何も言わないでおいた。
しかし問題はその後。
安室さんの様子がおかしい......
安室さんは今、私の右手を握ったまま運転をしている。
お墓を出る時から、一向に手を離してくれない。
恥ずかしさに耐えられなくなってきて片手運転を指摘してみたけれど、「危なくない」の一言で片付けられた。
(いや危ないから！こっちはドキドキが止まらないし手汗は大丈夫かとかいろいろ心配なんですけど！？)
恨めしげに安室さんを見ると、鼻歌交じりに運転している。
『、、、ご機嫌ですね？』
「ん？そうか？」
(いや、どう見てもそうでしょう。)
赤信号になり、安室さんがこちらを向いた。
「Aの初恋の相手に挨拶できたし、お前の従妹は俺が頂いた宣言もできたし、まぁ満足はしてるかな。」
『い、頂いた宣言って.....』
なんて恥ずかしいことを言うんだ。
「だってそうだろ？」
安室さんは握っていた私の手を自分の口元に持っていき、チュッと口付けた。
『ひょわぁぁぁぁぁ！！！！』
(なんっっっってことするのよこのイケメンは！！！！ 運転中でしょ！？運転してよ！！！！！)
あまりの恥ずかしさに手をブンブン振ろうとしたが、意外にも安室さんの力はかなり強いらしく、ビクともしなかった。
『あ、安室さんて意外と力が強いんですね...』
思わずポロッと口にしてしまった。
「へぇ？俺のこと軟弱そうだと思ってたのか？」
" マズい " と思った時には遅かった。
安室さんがもう一度私の手を口元に持っていく。
そしてーーーーーー
カプッ
思考が停止した。
私の腕に当たる安室さんの金髪。
そして手には安室さんの歯の感触。
(噛まれた......？)
頭で理解してしまうと、もうだめだった。
ボンッ！！！と火が出そうなほど顔が熱くなり、動けなくなった。
そんな私を見て安室さんは満足げに目を細め、また前を向いて車を走らせる。
(なんでこの人こんなに色気ダダ漏れなんだろう....)
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やっち(プロフ) - えっ終わりですか？続きが読みたいです (2022年4月18日 19時) (
レス) @page16 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - 好きです！これで終わりですか？めっちゃ面白いので最新待ってます頑張ってください！ (2020年3月22日 10時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
壟薇 - チュキ（≧∇≦） (2019年9月25日 18時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 好きです。更新頑張ってください！ (2019年5月20日 11時) (レス) id: a6030a90d7 (このIDを非表示/違反報告)
梨王(プロフ) - ルートさん» コメントありがとうございました！夜しか眠れないなんて...朝もしっかり寝ましょう！？(ovo) (2019年3月17日 18時) (レス) id: 2a5069a4c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梨王 | 作成日時：2018年5月9日 7時
