[名探偵コナン] 安室透のお気に入り[降谷 零]

29歳、男性。 ページ29

『いえ、その、あまり深く考えていませんでした...』

安室さんのことは「ポアロで働いているお兄さん」としか認識していなかった。
というかそもそも...

『あ、安室さん？つかぬ事をお聞きしますが、安室さんはおいくつなんですか？』

そういえば私は安室さんのことを何も知らない。
安室さんは私には言えないことがあるらしいけれど、知っていてもいいことがあるのなら知っておきたい。

「年齢ですか？29ですけ『え！！！？』おい。」

驚きのあまり左手に買い物袋を持つ安室さんのほうをグルンッ！と振り返ると、右手で頭をガッ！と鷲掴みにされる。

そのまま片手で両頬を挟まれ、

「だれが童顔だって？？？」

と笑顔だけど笑っていない目で睨まれた。
"安室 透"ではないほうが出ている。

『いっ、言ってないでひゅ』

必死に抵抗したがそのままムニムニと頰を遊ばれ、しばらくしてから解放された。

「まったく...何歳だと思っていたんです？」

『ケホッコホッ、同い年か１つ２つ年上くらいかと....』

「Aさんは何歳でしたっけ？」

『24歳です。雪は25歳ですよ』


安室さんは「若いなぁ」と言って歩き出したので、後ろから追いかけた。

『ところで安室さん、年齢が分かったところでお聞きしたいことがいくつかあるのですが。』

「なんでしょう？」


そう。聞きたいことができた。
これは私の癖というか、職業病みたいなもの。
見逃せない事実。


"29歳" "アラサー" "男性"



(よし、とりあえず少しだけ聞いてみよう)

そして私は控えめに質問を始めた。


『安室さん、普段はどういったスキンケアをされてますか？
透明感のある肌をキープする方法は？
朝の洗顔と夜の洗顔はやり方を変えています？
お湯の温度は？
化粧水と美容液はどこのものを使っていますか？
マッサージなどは「ままま待ってくださいAさん！！」え？』


なんです？と聞くと、安室さんは慌てている。

(うーん、もしかして秘密なのかな。
美の秘訣はそんなに簡単には教えてくれないかもしれない...)

「僕は男ですし、そんなにこだわったスキンケアなどはしていませんよ？」

『は？信じられません。そのきめ細かい肌をアラサーがキープしている、これは何か秘訣があるはずです』

「は？って言われた上に、アラサー呼ばわり....」

なぜか眉を下げてしょんぼりとしている安室さんを可愛いなと思いつつ、
しばらく私は質問ぜめを続けた。

職業病。→←フリーター。

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