居酒屋。ー安室sideー1 ページ14
「あむろしゃん、私に嘘は通用しまひぇんよ?」
呂律の回らない彼女が俺の胸ぐらを掴み、充血した目で睨んでいる。
(…どうしてこうなった?)
30分前ーーーーーーーーー
「失礼します、お飲物をお持ちしました」
店員が2人分のグラスと、冷酒を持ってきた。
「わ〜!フルーティーな香りですね!」
『女性人気NO.1だそうです。では、乾杯♪』
「乾杯!」
いつもより彼女もリラックスしているように見える。
(桜井さんに感謝だな)
車の中で笑いすぎた俺に対して怒っていたが、もっといろんな表情を見てみたい。
『そういえばAさんはどんなお仕事をされてるんです?いつもキッチリとした服装ですよね?』
「私と雪は化粧品会社で働いているんです」
『なるほど。確かにお二人が販売していたら売り上げも良くなりそうですね』
美人と可愛い人が化粧品を売っていたら、憧れてその会社の商品を買う女性客が増えそうだ。
「いえ、私たちは裏方というか、企画部なんです。」
『そうなんですか?お二人が店頭に立っていたら良い宣伝になりそうですが...』
会社も勿体無いことをするな、と思った。
「あまり人前に出る仕事は向いていないんです。たまに販売部門で休みの人が多かったりすると駆り出されるんですけどね」
(化粧品会社か...)
表に出ないとはいえ、さすがだな。
俺が見惚れた髪からも、顔立ちに似合っている化粧からも、「見られる側」としての意識の高さが伺える。
などと考えていると....
ゴンッ!!
『!?』
音に驚いてAさんの方を見ると、またしてもおでこを机にぶつけていた。
『Aさん、大丈夫ですか!?』
「 」
返事がない。
もしかしてお酒が入ったら眠くなる体質なのだろうか。
(桜井さん...伝えておいてほしかった)
と、その時彼女がピクリ、と動いたのが分かった。
『あ、Aさん、大丈夫で「あむろしゃん!!!!」 んん!!??』
あむろしゃん??俺のことか???
...ちょっと待て。
なんで俺は彼女に胸ぐらを掴まれているんだ?
しかも充血した目でまっすぐ睨まれている。
(初めて見る表情だな…)
見つめていると、彼女がズイッとこちらに身を乗り出してきた。
「私に嘘は通用しまひぇんよ?」
『う、嘘ですか?僕はあなたに嘘をついた覚えはありませ「かのじょがいらいなんれうそれす!!」
さっきより呂律が回っていない。
えーと、なんだ?
「彼女がいないなんて嘘です」?
なるほど。
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梨王(プロフ) - ウツボカズラさん» お読みいただきありがとうございます!コメントもとっても嬉しいです(*´-`) (2018年6月4日 0時) (レス) id: 21bb2c05b2 (このIDを非表示/違反報告)
ウツボカズラ(プロフ) - め…めちゃめちゃきゅんきゅんしますっ、悶えとニヤニヤが止まりません…!!安室さんと降谷さんの切り替えとかドキドキします…!こんなすてきな小説をありがとうございますっっ!!!!! (2018年6月2日 22時) (レス) id: ba7ef38af0 (このIDを非表示/違反報告)
梨王(プロフ) - 透架さん» ありがとうございます!お楽しみいただけるよう頑張ります( ;∀;) (2018年5月9日 7時) (レス) id: 56e0ef430f (このIDを非表示/違反報告)
梨王(プロフ) - 菜乃さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます( ;∀;) 続編スタートしましたのでよろしければお読みください♪ (2018年5月9日 7時) (レス) id: 56e0ef430f (このIDを非表示/違反報告)
透架(プロフ) - 読んでいてすごくドキドキします..!第2シーズンも頑張ってください!!! (2018年5月8日 17時) (レス) id: 2f77a0cff7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梨王 | 作成日時:2018年4月20日 8時