47:去るよ(貴方side) ページ47
私は主の部屋から静かに出るなり痛む足なんか忘れてただひたすら歩く。
別に私のいく場所、帰る場所なんてどこにも無いのにひたすら歩く。
私が歩くのと同時に後ろから足音。鶴丸だ。
無言で歩く私の後ろを静かについてくる。私を質問攻めするのでもなく、文句を言うわけでもなく、心配そうに私を見つめながら後ろをついてくる。
貴方「……ごめんね鶴丸。私のせいで嫌な目にあっちゃったね。………私の味方をしてくれて…ありがとう。」
なんて言葉をかけると鶴丸は
鶴丸「…気にするな！全部…主がいけないんだ。前はあんなやつじゃ無かったんだがな。」
やっぱりね。きっと私が来たから主は全て変わってしまったんだ。
全部全部悪いのは私だ。
私を頑張って作ってくださった鍛冶屋さんは私を作って“後悔”というものをしなかったのだろうか。
無駄に大きく、無駄に切れ味がいい私は戦場で結構活躍した。
でも前の主が亡くなって、私は火に焼かれ、跡形もなくこの世から消え去った。
それからは幻の刀として世に伝えられたのだという。
まぁ、そんなことはどうでもいいか。
貴方「鶴丸。私は………これからこの本丸を去ることにするよ。」
こんな体じゃもって１ヶ月だろう。
刃は所々にヒビが入り、刃の先は欠けている。
こんなんじゃ私は人の形でいる意味はない。
戦えないのだから。大切な歴史なんて守ることができない。
私達が人の形になった理由は歴史を守ること。
私はもうできそうにない。
鶴丸「なら俺も行く。」
貴方「っ……。鶴丸…だめだよ。」
『一緒に行く』そう言ってくれるのは嬉しい。でも何の罪もない鶴丸がこの本丸から出ていく理由なんてない。
だから私は“だめだよ”と一言そう言った。すると鶴丸は
鶴丸「？なんでだ？好きなやつについて行くのは当たり前のことだろう？」
ニカッと笑ったその顔はほんのり赤く、髭切兄の笑顔とは違い、私の心を締め付けた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 316人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
◎花丸◎ - 歴史修正主義者さん» この作品を読んでくれてありがとうございます！更新遅れてスミマセン！ (2018年10月18日 18時) (
レス) id: d9e1742b9c (このIDを非表示/違反報告)
歴史修正主義者 - とても面白いです！更新頑張って下さい(^O^) (2018年10月18日 12時) (レス) id: 43f343ee39 (このIDを非表示/違反報告)
◎花丸◎ - 真黒さん» コメントありがとうございます！更新頑張ります！！ (2018年10月6日 10時) (レス) id: d9e1742b9c (このIDを非表示/違反報告)
真黒 - 更新頑張ってください (2018年10月6日 10時) (レス) id: 36145c8bb7 (このIDを非表示/違反報告)
◎花丸◎ - 椿さん» カタナキャーですねww楽しみにしてくださりありがとうございます！！受験生なので更新トロトロですが見てくださると嬉しいです！(☆∀☆)ゝ (2018年9月27日 18時) (レス) id: d9e1742b9c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：◎花丸◎ | 作成日時：2018年7月24日 14時
