45:不運 ページ45
鶴丸は全員にむけてそう言うと主が小さく舌打ちをしてこう言う。
主「っ…演技なんかじゃ無いわよぉ。あの子がいきなり刀を取り出して私を切ったのよぉ……信じてよ鶴丸ぅ。」
心の底から痛がっているようには見えなかったが主は痛がる素振りを何回も見せては涙を流す。
清光「ちょっと鶴丸。なんで主の傷を心配しないわけ?こんなに痛がってるのにさ。……確かにAは主よりも酷い傷を負ってる。それにAが主を斬った所を誰も見てない。」
髭切「でも何よりの証拠は、今Aの手に持っている刀だろう?信じたくは無いがAが主を傷つけた可能性は高い。」
…………私が黙っていれば適当な事を口にする刀剣男士達。このまま黙っていれば本当に私が犯人だということになってしまう。だから私は口を開くことにする。
貴方「ねぇ髭切兄さん、それに清光達。なんで主だけを信じるの?」
鶴丸が私の前に立っているからきっと主や皆からは私の姿は見えないだろう。
貴方「私が今、刀を振り抜いて主を斬れる状態だと思う?私はこうやって立っているだけで精一杯なのに刀を主に向けられるわけないじゃん。それに私は、人を斬るんならこんな浅い傷をつくらないよ。」
斬るんならもっと傷は深くしなきゃ。そう心の中で一言つけたした。
すると髭切兄さんが口を開く。
髭切「…A。僕も出来ることなら君を信じてあげたい。でも今はいくら可愛い妹の事でも信じてあげることはできないよ。」
いつもとは違う笑顔でそう言われた。
私はそれに笑顔で返すことなんてできない。
貴方「にい…さ…ん。なんでよ…。」
なぜかポロポロと涙が頬を伝った。
清光「悪いけど俺もAを信じる事はできない。」
皆口を開けば『信じられない』って。
この本丸、鶴丸以外に私の味方なんて誰一人居ないや。
貴方「…………分かったよ。犯人が私って言うんならそう思ってればいい。関わりたくないなら関わらなくていい。」
私がそう言うと鶴丸はこちらを向き驚いた表情を見せた。
鶴丸「おい、A!それじゃ悪人扱いになっちゃうじゃないか!」
貴方「しょうがないよ鶴丸。皆が私を信じないんだから。」
この現世に来てからというもの、良いことが一度もない。
私は不運な刀だ。そして私と出会ってしまった鶴丸も不運だ。
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◎花丸◎ - 歴史修正主義者さん» この作品を読んでくれてありがとうございます!更新遅れてスミマセン! (2018年10月18日 18時) (レス) id: d9e1742b9c (このIDを非表示/違反報告)
歴史修正主義者 - とても面白いです!更新頑張って下さい(^O^) (2018年10月18日 12時) (レス) id: 43f343ee39 (このIDを非表示/違反報告)
◎花丸◎ - 真黒さん» コメントありがとうございます!更新頑張ります!! (2018年10月6日 10時) (レス) id: d9e1742b9c (このIDを非表示/違反報告)
真黒 - 更新頑張ってください (2018年10月6日 10時) (レス) id: 36145c8bb7 (このIDを非表示/違反報告)
◎花丸◎ - 椿さん» カタナキャーですねww楽しみにしてくださりありがとうございます!!受験生なので更新トロトロですが見てくださると嬉しいです!(☆∀☆)ゝ (2018年9月27日 18時) (レス) id: d9e1742b9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:◎花丸◎ | 作成日時:2018年7月24日 14時