テ、アゲロ…【ARS･S】 ‡Part8‡ (ページ15)

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‡190‡　その子ページ15

～Aｻｲﾄﾞ～

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A「え……ちょ……は……？」

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何？何コレ。

何が起こった？

目の前で何が起きてるの？

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“あの”

雅紀が？

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頭を下げて、私に謝ってる……？

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A「ちょちょちょっ……待ってよ。

どういう意味？っていうかどういう風の吹き回し？

なんで急に……「ホントごめんっ」by雅紀

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……何が起こってるの？ホント……。

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雅紀「今まで……散々Aにヒドい事してきて……ホントごめん」

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私、

『遊んでごめん』って、謝られてる？

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A「えっ、ちょっ、待って……。

どうしたの急に？いや、謝ってくれるのは嬉しいけど……

なんで急に……」

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すると、雅紀はゆっくりと顔を上げた。

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雅紀「……この間……遊んでる子が減ったから、彼女増やそうと思ったんだ。

それで、ナンパしようと思って街に出たの。

そしたら、地面にうずくまって泣いてる女の人を見つけてさ……

失恋でもしたんだな、って……。

失恋した子は手に入れるの簡単なんだよなって思って

その子に話しかけたの」

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雅紀「そしたらその子……失恋してはないけど、もう失恋したようなもんだって。

彼氏はもう私のこと見ていないんだって。

『慰めて』ってその子から言ってきたの。

それで、その日は……まぁ、お察しの通り……」

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……うん、わかるよ……。

慰め

=(イコール)

……ね。

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雅紀「次の日、朝起きたらその子また泣いてんの。

『寂しい、寂しい』って……

その彼氏のこと大好きなんだなって思って……」

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雅紀「その涙見てたら……

『守りたい』って……感情が俺の中から出てきて。

元気にしてあげたい、笑顔にしてあげたいって思うようになって。

その後も俺から連絡して何回も会ったんだ。

少しでもその子が笑うと、俺まで嬉しくなって……

こんな気持ち初めてで」

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雅紀「それでね、俺……わかったんだ。

俺、その子に恋してんだって……」

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……

……目から鱗とはこの事を言うのだろうか……。