短い間ではありますが。 (ページ36)

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＊主人公side ページ36

自分でも分からない事ばかりだ。
この感情は何なのか、私が持っている限りの語彙力で表せるのか、何故わざわざ１日後に返事をすると伝えたのか。
やがて私は１つの答えを導き出し、机に向かう。
眠りについたのは普段より少し遅い時間だった。

「ふわぁ…ん、眠い…」

昨日は自分の語彙力を随分と考えさせられた。
蓄えれば蓄えるほど満足する基準は遠ざかるから力をつけても労力や効率に差が生まれないのだ。
欠伸をしながら体育館で球技大会の説明を聞く。
３年間の高校生活で１度しかない行事とあって、興味深さに関わらず後悔したくないのは皆同じ。
物理的にも雰囲気的にも熱気が体を包むよう。

「…説明は以上です。皆さん頑張りましょう！」

体育科担当の古謝先生は勿論、末澤先生も参加。
滑舌の怪しい説明が逆に意識を向けさせたのか、すっかり目も覚めていて競技への準備は万端だ。
程無くして女子の一撃バドミントン勝負が始まりそれぞれの学級がポイントを重ねていく中、私は観戦しながら作戦を練る。…これで行ける筈だ。

「ねえ真中さん、どうしたら良いん？」
「一撃なんか難しいよ…」
「私やったら空振りするし」

皆の実力に合わせた戦略で、クラスを勝利へ。