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でも翔にい。
私、今の冗談に聞こえなかった。
目が違ったもん。
……凄く、真剣な目してた。
あの、私の高校進学について話し合ったときみたいな…
A
「翔にい」
翔
「ん？」
A
「あーえーっと、明日から学校じゃん？」
翔
「うん」
A
「私はいつも通りでいいんだよね？ バレなきゃ…」
翔
「そうだな、なるべく自然に……」
A
「なんか『櫻井先生』って呼びづらい(笑)」
翔
「俺も、『菊池さん』だなんて呼べねぇ」
A
「突然苗字が変わるって……」
翔
「他の先生達も大変だろうな〜急に名前が変わって」
A
「あ、それは大丈夫。みんな私の事『A』とか『Aさん』とかだから」
翔
「ほお〜…」
A
「あ、翔にいまさか…」
翔
「俺も下の名前で呼ぼう!!」
A
「でも急にやると怪しまれるよ？ 色んな意味で」
翔
「じゃあ全員下の名前で？」
A
「それは他の先生もしてない。下の名前で呼ばれてんのは私だけ、クラスでは」
翔
「じゃあ徐々に変えてくか…」
A
「難しくない？」
翔
「まあ愛する妹のためだ、頑張るよ！」
A
「愛するって……しかも私頼んでないし」
翔
「いいの！」
もう、たまーに女の子になるんだから…
翔
「ふふ、明日から楽しみ〜」
A
「うん、なんだかんだ言って楽しみ♪」
翔
「なんだかんだって……」
A
「だって明日からいきなり大幅な早起きなんだもん」
翔
「まあ無理すんなよ」
A
「自分で言った事だもん、多少の無理はするよ！」
翔
「ったく、バカ真面目なんだから…」
A
「今何て？」
翔
「なんでもないで〜す♪」
はっきり聞こえたよ、『バカ真面目』って。
いいよ別に。私、翔にいのためにバカが付くほどの真面目になったって。後悔しないもん。
それこそ、自分がやりたくてやろうとしてる事だから。
翔にい、
私、明日から頑張るよ
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作者名：明音 | 作成日時：2016年9月18日 15時
