175.キーホルダー side志田 ページ30
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side志田
翔：「食器少ないと、人を呼ぶとき不便でしょう？」
なぜだか困ったようにも見えるその表情。
瞳の奥に、優しい色が見えて
でも、それは私に向けられたものではない。
私を通して、頭の中に浮かんだ人に対して向けたものだ。
先生のことが好きな私には、たったそれだけでわかりすぎてしまう。
志田：「…彼女とか、ですか？」
翔：「……」
先生が言葉を詰まらせる。
困った顔をしているように見えるのは
私が先生を好きだからかな。
でも、よかった。
先生の中で忘れられてなかったし
なかったことにもなってなかった。
それだけで十分。
志田：「彼女、いるんですよね？」
翔：「…あぁ」
大野さんから聞いてきたけど、
やっぱり、人伝えと直接じゃ衝撃が違う。
結構、くるもんだなぁ…。
翔：「誰かに、聞いたの？」
志田：「いえ…。
なんとなく、いるんだろうなって思ってました」
無理して聞きにくいことを聞いてもらった大野さんを
ペラペラ喋ったと悪く思われないように
大野さんから聞いたってことは伏せておくことにする。
志田：「彼女さん、どんな方ですか？」
先生が困らないように、なるべく
どおってことないように見えるように笑って聞く。
翔：「どんな？んー…」
先生の気持ちを独り占めできる彼女は羨ましい。
あんな風に優しい目を向けられる彼女が羨ましい。
自分の想いが相手と通じ合うことなんてそうそうないし
そうなれるとも思ってないけど。
でも、先生の心の中にいられる存在でありたかったなぁとは思う。
まだ、努力も何もしていないけど
精一杯頑張ってから、諦めよう。
想いが届かなかった辛い恋がいつか思い出となって
その思い出に負けないくらいの自分になれるって信じたい。
でも、そう信じるのはもう少し頑張ってから。
翔：「すごく不器用だけど、すごく素直な人…かな(笑)」
不器用で素直とか、まったく真逆だけど
2人にしかわからないことなんだろう。
胸の奥がグリグリと締め付けられてそのまま破裂してしまいそう。
母：「あら、先生」
翔：「志田さんのお母さん、こんにちは」
面談で一度面識のあるお母さんが
先生を見つけて挨拶をする。
先生は開いたままのドアをバタンと閉めてお母さんの前に立った。
チャリンと先生の鍵についてるキーホルダーが音を立てて
そこには大野さんと同じ蛍のキーホルダーがぶら下がってた。
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カレン(プロフ) - せいこさん» 初めまして!気持ちの変化も成長も、櫻井先生のおかげです♪そんなお二人をこれからもよろしくお願いします(^o^)応援ありがとうございます！ (2016年5月3日 11時) (
レス) id: a9e0cca142 (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - キョロちゃんさん» 初めまして、コメントありがとうございます。これからも翔さん素敵だなって言ってもらえるよう頑張ります(*^^*)第5章もよろしくお願いしますね！ (2016年5月3日 11時) (レス) id: a9e0cca142 (このIDを非表示/違反報告)
せいこ(プロフ) - 初めまして。昨日、今日とで一気に読ませて頂きました。ストーリーといい、登場人物皆んな大好きです。主人公の気持ちの変化、成長していく姿が目に見える様です。大好きなお話です。これからも楽しみに待ってますので、頑張って下さい(*^_^*) (2016年5月2日 19時) (レス) id: 9bbea5e87c (このIDを非表示/違反報告)
キョロちゃん(プロフ) - カレンさんはじめまして。いつも楽しみにしています。私は熊本市内に住んでいます、まだまだ余震も続いているんですが唯一の楽しみになっています。やっぱり翔さん素敵ですよね。是非続きも楽しみにしています。 (2016年4月25日 6時) (レス) id: ad68473bef (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - さくさん» それは本当によかったです。これぐらいのことしかできない無能な私ですが、さくさんのように楽しんでいただけているなら、嬉しいです。早く平穏な日々が取り戻せることを祈っています。そして、より被災地の方々が楽しめるようなお話をお届けできたらなと思います。 (2016年4月18日 20時) (レス) id: a9e0cca142 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カレン
| 作成日時：2016年3月17日 9時
