162.ハイ、チーズ ページ17
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A：「すごっ…」
自分の背より、いや、人の背よりもはるかに高いたくさんのひまわり。
花壇に埋まっているひまわりはよく見るけど
ぜんぜん比じゃない。
茎も花の大きさも色も違う。
ここにあるひまわりは一本一本が
自分自身がしっかりと咲いて立っていて逞しい。
A：「こんなに育つんですね」
呆然としている私の手を翔さんは引いて前に進む。
翔：「なぁ？でっけぇ」
二人して、前ではなく上を見て歩いてるから
いつか何かにつまずいて転びそう。
翔：「写真では見たことあるけど実物ってすっげ迫力」
A：「私も写真でしかない」
シーズンだけあって、思ったより人もいる。
「すみません」
目の前に、女の人が立っていて
そのすみませんは自分へ向けているものだと気づき
慌てて返事をする。
「写真お願いしてもいいですか？」
A：「ぁ、はい」
女の人からカメラを受け取って
彼女の後ろに家族と思われる人たちが見えた。
大きなひまわりの前に
お父さん、お母さん、女の子と、その子のお兄ちゃんかな？
男の子が並んでとってもいい笑顔をしながらピースをしている。
ひまわりがちゃんと映るように下がり
カメラをその家族に向ける。
A：「ハイ、チーズ」
カシャ
家族写真って、物心ついたときからお父さんはいないから
撮った記憶なんてないなぁ。
羨ましいのも、寂しいのも
もう、小さい頃からずっと感じてきたことだから
私にとっては普通のこと。
こうしたい、あぁしたいなんてもう思わない。
でもやっぱり、羨ましいや寂しいは生まれるもので。
それは仕方がない。
A：「確認お願いします」
女の人は私が撮った写真を見て
満足そうにありがとうございますと言った。
「あの、撮りましょうか？」
A：「え？」
「お連れさんと」
翔さんをのことを見て言う。
翔：「あ、じゃあお願いします」
iPhoneのカメラの画面にして女の人に渡すと
私の手を引いてひまわりの前に連れて行った。
パッと手が離れたかと思うとその手が私の肩を抱き寄せ
より密着した形になる。
まるで、お前には俺がいるよと言っているかのよう。
私はそれに応えるようにさっき繋いでいた手を後ろから
翔さんの腰に回した。
「ハイ、チーズ」
あとで見たその写真に写る自分は
すごく、幸せそうだった。
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カレン(プロフ) - せいこさん» 初めまして!気持ちの変化も成長も、櫻井先生のおかげです♪そんなお二人をこれからもよろしくお願いします(^o^)応援ありがとうございます！ (2016年5月3日 11時) (
レス) id: a9e0cca142 (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - キョロちゃんさん» 初めまして、コメントありがとうございます。これからも翔さん素敵だなって言ってもらえるよう頑張ります(*^^*)第5章もよろしくお願いしますね！ (2016年5月3日 11時) (レス) id: a9e0cca142 (このIDを非表示/違反報告)
せいこ(プロフ) - 初めまして。昨日、今日とで一気に読ませて頂きました。ストーリーといい、登場人物皆んな大好きです。主人公の気持ちの変化、成長していく姿が目に見える様です。大好きなお話です。これからも楽しみに待ってますので、頑張って下さい(*^_^*) (2016年5月2日 19時) (レス) id: 9bbea5e87c (このIDを非表示/違反報告)
キョロちゃん(プロフ) - カレンさんはじめまして。いつも楽しみにしています。私は熊本市内に住んでいます、まだまだ余震も続いているんですが唯一の楽しみになっています。やっぱり翔さん素敵ですよね。是非続きも楽しみにしています。 (2016年4月25日 6時) (レス) id: ad68473bef (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - さくさん» それは本当によかったです。これぐらいのことしかできない無能な私ですが、さくさんのように楽しんでいただけているなら、嬉しいです。早く平穏な日々が取り戻せることを祈っています。そして、より被災地の方々が楽しめるようなお話をお届けできたらなと思います。 (2016年4月18日 20時) (レス) id: a9e0cca142 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カレン
| 作成日時：2016年3月17日 9時
