ｶﾜｶﾐﾏｽﾀｰ ページ37
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｢なぁ、A｣
『はい、どうし…』
名前を呼ばれて振り返ろうとすると、拓朗さんの頭が私の肩に乗った。その重みに慣れなくて動揺してしまう。
『えぇ、どうしたんですか、体調悪い？』
触れていいのかも分からず、普段こんな風に甘えてくることもないから、対応に困ってしまう。恐る恐る、柔らかい拓朗さんの髪に触れる。
｢…体調悪くないけど。迷惑だったらやめる。｣
少し沈んだ低音の声が耳に響く。何かあったのかな。どうすればいいんだろう。
『迷惑なわけありませんよ。拓朗さんがこれで落ち着くならいつまでもここに頭置いてください。』
｢……ん。｣
静かさが耳にうるさいほどの静寂。そういえば、2人でいる時なんだかんだ話をしていたから、こんなに静かなことってなかった。
そのまま拓朗さんの頭を撫で続けた。体感的にはもっともっと長かったけど、時計の針は少ししか動いていなかった。
｢…充電できた。ありがと｣
拓朗さんが小さな声で言って頭を浮かす。瞬間、私は拓朗さんの正面に向き直って思い切り拓朗さんを抱きしめた。
｢ちょ、｣
『ハグでも、充電してください、
まだ全然充電出来てないでしょう？
大丈夫じゃないのに、平気なフリしなくていいんですよ。』
ゆっくりと拓朗さんが私の背中に手をまわす。力なく抱きしめられて、こんなに弱くなってしまう前になんで気づいてあげられなかったのかな、と後悔する。
｢…そういうとこ好き。｣
『もう、こういう時だけ素直なんですから。』
拓朗さんがうるさい。と小さい声で答える。
『何があったか聞いてもいいですか？』
｢ん…まあ、俺のメンタルが弱くなってるだけなんやけど。｣
ポツリポツリと拓朗さんが話し出す。拓朗さんの仕事場で、拓朗さんのミスが全体のミスになってしまったという。なんとか拓朗さんが立ち回って解決したみたいだけど、完璧主義な人だからかなりダメージを受けている。自分で犯したミスを自分で解決したんだから何も問題はないと思うんだけどね。
『そっか、お疲れ様でした。
たくさんたくさん癒してあげます。』
優しく、愛をこめて背中をさする。
｢Aは、変な同情とか、上辺だけの励ましとかしないから、心が楽になる。｣
『私は川上マスターですからね。』
｢ふ、なんやそれ。｣
弱くだけど、ようやく拓朗さんが笑って、強ばっていた体の力も抜ける。ずっと完璧な拓朗さんもかっこいいけど、でも、弱さを見せてくれる、そんなあなたのことが大好きです。
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ぷち。(プロフ) - 七海さん» 実は最後までくっつけようかどうか迷ってたんです…笑でも作者がハッピーエンド大好きなので！笑読んでくださりありがとうございました！これからもよろしくお願いします！ (2019年11月21日 16時) (
レス) id: 996a593dea (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - やっとくっついたー。 (2019年11月20日 22時) (レス) id: b66e2f7b3d (このIDを非表示/違反報告)
ぷち。(プロフ) - 名無しさん» 私も朝苦手です、起きれません…(そうじゃない)応援ありがとうございます！これからも頑張ります！！ (2019年11月19日 19時) (レス) id: c749ad5c5e (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続きが気になって朝も起きれません。応援してます！！ (2019年11月19日 18時) (レス) id: cbbd2e7772 (このIDを非表示/違反報告)
ぷち。(プロフ) - Lemon5225さん» ありがとうございます(TT)もう1つの方長かったのに、読んでくださったんですね、嬉しい限りです(TT)これからも頑張ります！よろしくお願いします！ (2019年11月18日 8時) (レス) id: b615b8b6d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷち。 | 作者ホームページ：
作成日時：2019年11月16日 20時
