サキュバス (ページ50)

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case.10 ページ50

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藤真 side

『健司の精子、美味しかった！やっぱり私の嗅覚は天才なんだな〜って思えたよ！』

さっきまで死にそうだったのに中に出された瞬間に、生き返ったかのように元気を取り戻したA

えっへん！…って聞こえてきそうなくらい威張ってる

俺の方が精気を取られて今にも寝そうだ

セックスってこんなに疲れるもんだったかな？

『また貰いに来てもいい？』

……そっか

体液が食料なんだもんな

「あぁ」

『え？！本当！？わぁーい！健司の精子は、ここ最近で一番美味しいんだ〜っ！爽やかなのに奥の方は濃厚で…… あ、涎が』

「味って違うのか？」

『人によって全然違うよ？』

「いい精子だといい効果とかあるのか？」

『もちろん！腹持ちもいいし、肌にもいいし…… 人間だって、美味しい物の方が幸福度って高いでしょ？それと似てるとこあるかも』

あまり話さないまま行為に至ったから、馬鹿そうなのかと思ったがちゃんと会話出来るんだな

『あ、失礼なこと考えてたでしょ』

「え？」

『私たち淫魔(サキュバス) は五感に優れてるの！匂いで考えてることもバレるんだからね！』

「すまなかった」

『ま、いいけど』

「毎日食事をするのか？」

Aの生態が気になって仕方がなかった

『うーん… 毎日してもいいけど、そうそう良いご飯に巡り会えないからな〜… 』

「そんなに貴重なのか？」

『そうだよ！健司みたいなのは稀！』

「なんか良い気分だな」

『健司はセックスも好きだしね』

「変態みたいに聞こえるだろ」

『変態じゃないの？』

そんな純粋な目で聞かれると吃る

『変態さんの方が嬉しいのになぁ〜』

「分かったよ、変態でいいよ」

『ふふ、毎日ヤると健司が死んじゃうと思うから
「は！？」

『私たち精気まで取っちゃうから…… いつもより疲れたなって思わなかった？』

「あ… 確かに」

『だから、健司が復活したらまた来るね♡ 』

バイバイ

そう言って空に飛び立って行った

夢のような時間だったけど、現実なんだよな

動かせない身体に味合わされる

………早く会いたいなぁ

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