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「 それ先生に出すのか? 」
『 え? 何か問題? 』
問題?
進路希望の紙にはデカデカと
冴のお嫁さん♡
………マジか
「 怒られてこい 」
『 なんで怒られる前提?! 未来あるプロサッカー選手のお嫁さんだよ!? 大学行くより安泰 』
「 はぁ… 」
スキップで出しに行くと、思ってた以上の怒号が聞こえて、とぼとぼと席に戻ったA
「 言ったろ? 」
『 書き直せ、だって 』
「 当たり前だろ 」
『 ん〜っ!…っ、マッキーで書いちゃった 』
そうですよねー。
そんな必死に消しゴムで擦っても消えるわけないですよねー。
馬鹿なのか!
涙目でこっちを見るな!
『 お嫁さんという夢は消せない 』
「 決まった… みたいな顔すんな。 いいから、新しい紙もらってこい 」
ここまで兄ちゃんへの気持ちが強い姿をずっと見て来たから、メンタルは鍛えられた……と、思う
新しい用紙を机に置いて、じーっと俺の方を見てる
「 何? 」
『 凛の見せて 』
「 なんで 」
『 参考にさせてもらう! 』
「 なんねぇよ 」
『 凛は私と離れてもいいの!? 』
「 んな…っ 」
『 隙あり! 』
「 あ! 」
『 ……サッカー推薦? 』
「 まぁ 」
『 凛まで私を置いて行くんだね!! ずっと一緒だと信じてたのに冴にも裏切られて凛にも…っ 』
ズキっとした
さっきはキュンとしたのに、Aの一挙手一投足で俺の心はこんなにも簡単に動くのか
机に突っ伏して泣く頭を撫でてやる
『 みんなして私を置いてくのねぇぇえうぇぇえん 』
「 置いてかねぇよ 」
『 え? 』
「 さっさと書いて提出しろ 」
その場を後にして部活に向かった
暫くして現れたAは元気になってた
『 凛ー! 』
「 ちゃんと書けたのか? 」
『 ううん、家でよ〜〜く考えろって 』
「 そうか 」
『 そんな事はどうでもいいの! さっき冴からLINEが来て、デートのお誘い♡ んふふ 』
Aのスマホには────
冴お詫びにご飯でも行く?
「 デート? 」
『 うん♡ 』
「 ……はぁ 」
『 よーし! やるか! 』
Aの機嫌は兄ちゃん次第
『 凛! 集合だよ! 』
デート… ねぇ
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さとみ(プロフ) - なっとう。さん» う、うわぁ… 嬉しすぎますぅ😂💕 ありがとうございます! (6月25日 1時) (レス) id: 562f4fc689 (このIDを非表示/違反報告)
なっとう。(プロフ) - す、好きです〜!めちゃめちゃ面白いし、本当に天才!応援してます! (6月23日 22時) (レス) id: f9924e37b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さとみ | 作成日時:2023年3月9日 23時