甘 い 恋 と 重 い 愛

将 来 の 夢 ( 凛 × 冴 ) ページ9

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凛 side









『 私ね、大きくなったら冴と結婚する！ 』



「 僕もAと結婚する！ 」


『 約束！ 』



「 うん、約束 」











─────────俺たちがまだ5才の頃








Aは兄ちゃんが好きだった












『 え… 彼女…？ 』



「 うん、そうだよ 」







ちょうど玄関から兄ちゃんと女の人が出てきた




やめとけって言ったのに、走って近づいてって


『 誰？ 』

って喧嘩腰に聞くA







………だから、やめとけって言ったのに










「 大丈夫か？ 」



落としたバッグを拾って魂の抜けたAに渡す








『 冴、彼女、って、言った、？ 』



「 あぁ、言った 」





『 ……私は？ 』







目に涙を溜めて俺に聞く








「 お前はお前 」











『 将来結婚するって言ったじゃぁあぁぁああぁん！ 約束だってしたのにぃぃいいぃ…っ！ 何！ あの女！ 』








うぅ…


なんて静かに泣いて落ち込む






そんな女じゃない、こいつは








『 こんな可愛い女の子が近くにいるっつーのに、なんでいっつも違う女のとこ行くのよぉぉおおおお！ 』








兄ちゃんに新しい彼女が出来る度にこう





…ったく



もう13年も経ってんだろ









「 いいから荷物置いて練習行くぞ 」


『 嫌！ 』



「 お前マネージャーだろ 」


『 冴に会う為に戻って来たのにぃぃぃ…っ、キー！』









兄ちゃんが海外から帰ってくるって教えたら、一旦帰るって聞かなくてこうなってしまった



俺にも非はある…か










Aは学校でもモテる方…


いや、他校から見物人が来るくらいモテる



それでも兄ちゃんしか眼中に無い












「 Aさん、今週末空いてますか？ 」

「 A、ドリンク頼む 」

「 Aちゃん今日こそLINE……え？ 」







部員に話しかけられても上の空







『 冴の… お嫁さん… に… っ、うぅ 』










「 A泣いてるぞ 」


「 いつもの事なんで 」








マネージャーの仕事すらしてない始末












「 A、帰るぞ 」


『 凛、私、生きてる？ 』



「 ピンピンだ 」


『 いﾞやﾞぁぁああぁ… 死んだ方がマシだぁぁぁ… あぁぁ〜あぁ〜ﾞっ！ 』




「 ……帰るぞ 」













お前を好きな俺の気持ちも考えろよな













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