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………気まずい。
ジュース取ってくるって手を引っ張られて出てきたはいいものの、沈黙の凪に訳が分からない
でも、せっかく玲王が見返すチャンスをくれたんだから、ここで凪に " やっぱりAが居なきゃ… " って思って貰わないと合わせる顔がない
遅かれ早かれ誘おうと思ってたんだし…っ!
『 凪 』
「 ん? 」
『 来月の文化祭… 一緒に回らない? 』
一か八か
彼女とまだ話してないことを祈る
文化祭で一緒に回るってことはある意味、交際宣言のようなもの
去年は一緒に回ったんだし…… お願いっ!
「 当たり前じゃん 」
『 っえ? 』
「 去年だって、中学と時だってAと回ってたんだから、そのつもりだったよ 」
『 本当に!? 約束だからね! 』
「 うん 」
ガッツポーズをして玲王のとこに戻った
帰りに玲王に自慢するように文化祭のことを話せば
" よかったな " って一緒に喜んでくれた
────────文化祭前日
「 A、ごめん 」
『 ……分かった 』
凪は彼女と回るからって断られた
やっぱり、凪は交際宣言のようなものだったとは分からずに私の誘いをOKしたんだ
そうだよね
彼女が大切だよね
「 凪と回るはずだろ? 」
当日、体育館との渡り廊下で座り込んでると玲王に見つかってしまった
不機嫌な私はそっぽ向いて無視した
「 振られたのか? 」
カラオケの時、意気揚々と玲王に報告しただけに、恥ずかしさと悔しさから何も言い返せない
ドスッと隣に座った玲王
「 一緒に回ってやろうか? 」
ニヤリと笑う顔に腹が立った
馬鹿にしやがって!
罵ればいいのに…っ
『 同情なんて要らない! 』
叩こうと振りかざした手をパシッと取られた
「 同情じゃねぇよ 」
『 凪に見捨てられた私がそんなに面白い!? 惨めに一瞬でも喜んだ私を慰めたいの!? 要らないよ! 』
「 人の話聞けよ 」
『 …っ、お願いだから、一人にさせて… 』
「 俺の女になれっつったろ 」
涙を見られたくなくて顔を逸らす
なのに、玲王の手によって泣き顔を見られた
「 好きなんだよ 」
抱きしめられて、霞む目に見たくない光景が映った
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さとみ(プロフ) - なっとう。さん» う、うわぁ… 嬉しすぎますぅ😂💕 ありがとうございます! (6月25日 1時) (レス) id: 562f4fc689 (このIDを非表示/違反報告)
なっとう。(プロフ) - す、好きです〜!めちゃめちゃ面白いし、本当に天才!応援してます! (6月23日 22時) (レス) id: f9924e37b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さとみ | 作成日時:2023年3月9日 23時