甘 い 恋 と 重 い 愛

・ ページ4

·







御影 side







放課後にAを迎えに行くと、理科室に居ると言われて向かうと修羅場らしき状況に出会した


外で待ってると凪の彼女が先に出て来た








「 あんた何様？ 」





Aの凪の気持ち知っていながら、あんな風に言い放つなんて良い女には見えない






「 Aちゃんばかり狡いよ 」




寂しそうに呟くそいつに何とも思わない


………凪と一緒に居るのはお前じゃん

被害者振って傷つく意味が分からない







「 あんたの方が狡いと思うけどね 」






俺の言葉に睨んで出てった


凪の優しさに漬け込んで付き合ってるくせに、Aに狡いなんて言う資格あんのかよ





中に入れば俯いて泣いてるA



背中を抱いてやれば





『 私は凪が好きなだけなのに…っ 』






俺は酷いことをしてるのか？


泣かせるつもりなんてなかった…




失恋するくらいなら、俺が寂しさを埋めてやろうって

ただ、そう思ってただけなのに









「 帰ろう 」



『 これ、持ってかなきゃ 』


「 俺が持つよ 」




『 ありがとう 』








いつも煩いくせに、今日は手を繋いでも文句一つ垂れないまま、帰路に着いた











「 なぁ、ダブルデートしようぜ 」


『 デート？ ダブル？ 』



「 凪たちと、俺ら…… な？ 」



『 私たちはカップルじゃないけど？ 』



「 凪に嫉妬させんだよ 」



『 凪が私に嫉妬なんて… 』






俯くA


………しくったか？






『 いいね！ 嫉妬！ させてやろうじゃないの！ 』






元気になるタイミング分かんねぇ奴だな





「 凪のこと振り向かせろよ？ 」


『 あったりめーよ 』



「 良い意気だ 」


『 やっぱ俺、A居ないと駄目だわ… って悲しんで跪いて、私に告白すればいいわ！ あっはっは！ 』







昨日、泣いてたのが嘘みたいだ


肩組んで " 作戦会議よ！ " って言ってる間に、凪が恨めしそうにこっち見てるのも気付かねぇ


どっちも鈍感過ぎんだろ




俺だってAを渡すつもりはねぇけどな















─────── in カラオケ






作戦なんて忘れてはしゃぐAは馬鹿だ





『 玲王も歌ってよ！ 』




そんなAの肩を組んで耳元で囁く

「 作戦忘れたのかよ 」



ハッとしたAと俺を睨む凪






………あれ、意外と順調？








「 ジュース取ってくる 」





不貞腐れる凪に口角が上がる









·

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す