甘 い 恋 と 重 い 愛

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そろそろ大掃除しなくちゃな…


もう年末になってたなんて、時の流れの速さに驚きつつも、蘭くんにご飯をあげて掃除に取り掛かる




「 にゃ〜 」





引き出しを見て頻りに鳴く蘭くん





『 ここは掃除しなくても大丈夫だよ？ 』





こう言っても鳴き続ける

…………引き出しの中なんて埃が溜まるわけでもないし、大掃除じゃなくても大丈夫なんだけどなぁ






『 蘭くんのおもちゃはここじゃないよ？ 』


『 おやつもあっちだよ？ 』





何を言い聞かせても " ここ " と言われてるような気がして、仕方なく開けて軽く掃除する


小さな箱を見つけた途端に大きく鳴いた






『 これ？ 』


「 にゃ〜 」






これは付き合って初めての私の誕生日に蘭くんからペアって言われてプレゼントしてもらった大切な物


これがどうしたんだろう？



開けて中を見せようとした






………え？




蘭くんの首に掛かってるネックレスと合わせる







『 なんで蘭くんが同じの持ってるの？ 』





目を輝かせて擦り寄って来る



よく物を無くす私は、大切すぎて着けれずにいた


二人で出掛ける時や記念日の時以外は大切にしまっていたのに、どうして場所を知ってるの？




私の家に来てくれたのは偶然？


よく似てると思うのはどうして？








「 大好きだよ、A 」





頭に流れ込んでくる言葉に涙が止まらなくなる






『 ……蘭、くん、なの？ 』






「 やっと気づいてくれた 」






蘭くんを抱きしめた


もう一生逢えないのなら、忘れてしまった方が楽だと思ってたのに……… ごめんね



「 泣かないで? 」






『 ごめん…っ、ごめん… 』






「 笑って? 」








最後の蘭くんの言葉……


本当に？



この子が、蘭くん？







『 …っ、うん！ 』








思いっ切り笑顔を向けると、心做しか笑い返してくれた気がする






「 じゃあね 」



その言葉と共にふわっと消えてしまった



















─────しかし、想いを遂げた後に天界に戻るぞ 》




「 笑ってくれてれば満足だ 」





《 ……いいだろう 》



「 俺のせいで苦しめたくないんだ 」













これは私にとって夢のような二ヶ月だった。









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