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黒名 side
「 ごめんな 」
『 謝らなくていいの! これ、着替えと…… じゃじゃーん! 蘭くんサッカー好きだよね! 』
入院してる俺に荷物を持って来てくれるA
─────付き合って三年
そろそろプロポーズを考えてた矢先
俺の病気が発覚した
同棲も始めて、一緒に居られる時間が増えると思っていたのに、俺は病院生活
Aが泣いてるのを知ってる
無理に笑ってくれるけど、赤い目に心が痛む
幸せにしてやれなくて、ごめんな
そんな時に現れた
《 輪廻転生を繰り返して生きている 》
意味の分からないことを言う死神
「 転生なんてしなくていいから病気を治せ 」
………それは駄目なんだと
《 せっかくだからお前が望む者に転生しよう 》
色々考えた
イケメンになって、またAと一緒になろうか
いや… それは俺が嫌だな…
Aの弟に生まれ変わるか?
ん〜… 年が離れすぎることになるか…
Aが好きなアイドル…
あ
「 猫にしてくれ 」
《 いいだろう 》
『 犬より猫の方がいい! 』
「 なんで? 」
『 蘭くんに似てるから 』
そんな会話を思い出した
最後の会話が交わされて、目を閉じた
「 笑って? 」
そう言う俺にボロボロ涙を流しながら、笑顔を向けてくれたAに満足して瞼を下ろした
「 にゃ〜 」
マジで猫になった
自分ん家まで走って、窓をコンコンすればすんなり招き入れてくれた
ネックレスを咥えて持って行って、首に掛けてくれとお願いすれば、時間はかかったが理解してくれたようで、二回に巻いて首輪のようにしてくれた
次の日、お父さんの後ろをついて一緒に玄関を出てから、Aの家まで走った
ネックレスで気づいてもらえると思った
『 あれ? 』
それだけでミルクを出された
…………忘れてる?
カレンダーを見れば " 2023年 "
俺が死んでから一年も経ってる
ソファーのクッションを見て懐かしくなる
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さとみ(プロフ) - なっとう。さん» う、うわぁ… 嬉しすぎますぅ😂💕 ありがとうございます! (6月25日 1時) (レス) id: 562f4fc689 (このIDを非表示/違反報告)
なっとう。(プロフ) - す、好きです〜!めちゃめちゃ面白いし、本当に天才!応援してます! (6月23日 22時) (レス) id: f9924e37b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さとみ | 作成日時:2023年3月9日 23時