プロローグ (七海side) ページ2
星が綺麗な夜、あても無く散歩に出ることにした。
しばらく歩くと公園を見つけた。
そこで缶コーヒーを飲みながら佇んでいたのは、同僚のAさん。
黙って通り過ぎようと考えたものの、気づけば話しかけていた。
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「Aさん...?」
A『七海さんじゃないですか、こんな時間にお散歩ですか?』
「まぁ、そんなところです。Aさんこそ、どうしてここに?」
A『私は散歩の度にここに来るんです。静かで落ち着けますし、空が綺麗に見えるんですよ。』
そう言われて、空を見上げてみる。
「本当ですね。」
A『今日は綺麗な三日月ですし、夏の大三角も見えます。』
「月が綺麗ですね。」
自分でも、クサい台詞を言ったと思っていた。
しかし、それも彼女には届かなかったようだ。
天然なのか、自分に気が無いのか。
やり切れない気持ちが込み上げてくる。
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『そうですね。満月も良いですけど、三日月も好きです。』
学生時代からの初恋の相手に届かなかった自分の言葉が、脳内を駆け巡る。
七海「...。Aさんは、昔からよく空を見ていますね。」
受け答えするのが精一杯だった。
自分の不甲斐なさに落胆しつつ、帰路に着いた。
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森 - たったの三ページで分かった……神作品やった…… (2022年8月16日 3時) (レス) @page3 id: 16b29645b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:木綿豆腐 | 作成日時:2022年8月10日 11時