5話 ページ7
ストレスフルで詰まりながらも弁解した俺とカツアゲ系イケメンとの間に沈黙が流れる。
この流れで隠し持ったナイフで目ん玉潰されるんじゃないかな。されてもおかしくない空気だよ。仕方ない。
「…さっき言ってた、良いところって何だったの？」
勇気を振り絞って踏み切ると、イケメンの顔が少し緩んだ気がした。俺を壁に押し付けていた手の力も緩む。
…いける！相手は一応年下なんだから強気に出てしまえ！
「俺、人の嫌がる顔が好きなんです」
「は？」
強気に出過ぎた。驚き過ぎてつい。言葉の意味を聞いたら突然捻じ曲がった性癖を暴露されたもんだからつい。
「あっすみません…それで先程の人は…」
「フッた女子です。1年の時からずっと告白してくれるんですけどね。」
本来ならそんなセリフ人生で一回も言えないんだぞ。イケメンは力は緩めながらも、俺を掴んだ手を離さないまま語り出す。
「付き合う気はないんですけど、嫌がってくれるかなって。もうすぐで怒りから嫌悪に変わると思ったんですけどね。
でも…貴方が止めに来たんですよ」
瞬間、俺を掴む手に力が込められる。そんなに！？そんなに興奮材料に飢えてたの！？本人が納得して殴られていたなら良いの？良いのか！
「…ごめんね！」
軽く謝って肩を押す。しかしイケメンも力を強める一方。内壁にもたれる背がずり落ち、俺が押し倒されているかのような姿勢へ落ち着いた。
見上げるともう散った桜の木と、不敵に笑ったイケメンが視界いっぱい。
「責任取ってくださいよ」
「は？」
責任？俺が？興奮材料の弁償？なに？変わりに嫌われてこいって？
それとも、俺がこいつを嫌うって事？
イケメンの顔がより一層近づいた。
いくら近くで見ても粗が見つからない顔。こんな捻じ曲がった性癖さえなければまともだったろうに。
「お前っ、」
そのとき、口に柔らかくて熱い感覚がはしる。五感を疑った。
嘘だろ？初めてなんだけど。唇を舌でなぞられる。マジでこんなところでその感覚は知りたくない…
思い切り力を込めて引き離した。
「…何すんだよ！」
息苦しさに荒い息をしている自分が情けない。犯罪まがい…いや、犯罪なんだけど。されるとは思っていなかった。袖で口を乱暴に拭う。
「良い顔ですね。その心底嫌がっている感じ」
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三温糖(プロフ) - ゆうちゃんさん» 偶然ですね〜！変なキャラに書いてますが…こちらこそありがとうございます！ (2021年4月2日 17時) (
レス) id: 02a307f0ab (このIDを非表示/違反報告)
ゆうちゃん(プロフ) - なんだと？颯斗とは私の好きな人の名前じゃないか！めっちゃいいですありがとうございます (2021年3月12日 15時) (レス) id: a4d6139af1 (このIDを非表示/違反報告)
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