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三ツ谷side





「ねぇ三ツ谷くん、遅刻しない?」



首を傾げて言われた言葉にはっとする。
携帯を開いて時間を確認すると、始業の時間までもう10分も無かった。



「やっべ、悪ぃドラケン、マイキー。俺等もう行くワ」



軽く頭を下げてAの手を引き細道の奥へ進む。ドラケンから、応。と返事が返ってきたのを確認して走り出し、半ば強引にAを連れて行く。



「もう少しだから、頑張れよ」



後ろに向かって声を掛けると、息切れに混じって、返事が聞こえた。




____




門に入った途端、学校のチャイムの音が聞こえて、完全に遅刻した事を思い知らされる。いや、遅刻するって事自体は分かりきっていたが。



「あ、間に合わなかったね」



後ろで小さい声が聞こえて、無理させ過ぎたかな、と心配になる。



「…大丈夫か?」



振り向いて声をかける。膝に手を着いて、細い肩で息をしているA。ここからはもう歩けねぇかな。



「ほら、乗れよ」



目の前にしゃがんで、背中を向けると、何がしたいのかわかったんだろう。素直に首に手を回された。なんとなく予想はしていたが、こんなに軽いとは思わなかった。ちゃんと食えよ。小言を言うと、律儀にごめんね。なんて答えるものだから、解ってるなら食え。とだけ返しておいた。





____





ようやく、3階にある教室へと辿り着き、扉の前で降ろしてやると、回復しているようで、綺麗な笑みを浮かべてお礼を言われた。心臓に悪い。



扉を開けて教室に入ると、所々から遅いぞー。なんて声が飛んでくる。それに少しづつ返事をしながら席へ向かって、先生からの小言も軽く受け流す。Aは斜め前の席で、苦笑いしながら謝罪を入れていた。

一時間目は国語で、Aの得意教科だったのに悪いなと思うんだが、別に気にしていないっぽい。楽しそうに授業を受けてるAを見て、思わず口元がにやけるんだが、絶対にバレないように口元は手で抑えて、先生に指されたAが正解する様子を見守った。









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夜☽ - 更新待ってます‼めちゃめちゃ面白いです‼ (2022年7月12日 21時) (レス) @page11 id: 3cb0863b99 (このIDを非表示/違反報告)
陽刀 - 半間くんと三ツ谷くんが好きな私にとっては最高の作品です!!ありがとうございます✨ (2021年12月18日 12時) (レス) @page11 id: 993e8c0062 (このIDを非表示/違反報告)
マル(プロフ) - ただの比喩表現でしたが、解りにくいのであれば訂正致します。「アキラ」様、御指摘ありがとうございました。 (2021年11月6日 8時) (レス) id: f6d415ee64 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - Googleで調べたらまつげ3cm(以上)は長すぎやからせめて2cmとかにした方が良いと思います。 (2021年11月4日 22時) (レス) @page1 id: 4a69971f38 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マル | 作成日時:2021年8月25日 18時

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