俺の気持ち ページ42
.
kento
.
駿 「 おいこれ何枚あんねん … ！ 」
何枚破こうと丸めようと 、まだまだ壁中を埋め尽くしている盗撮写真のおびただしい数にみっちーが嘆いた 。
恭 「 3年の教室に貼ってあった分は多分全部取ったで 。」
謙 「 ありがとう高橋くん 。」
紙の束を抱えながら４階から降りてきた高橋くんの息は少し上がっている 。
一限目はもう既に始まっているというのに紙の回収を手伝ってくれている２人は 、誰がこんなことやってん 、と俺よりも怒っていて 。
当の本人である俺はというと 、ただ一つの不安要素に駆られながら紙を剥がしていた 。
謙 「 … 。」
俺と関わりを持ってしまったことをバラさない代わりに 、俺を落とすという目的で一緒にいたA 。
… バレてしまった今 、もう彼女が俺とどこかへ行ったり名前を呼んで話したりなんてリスキーなこと 、する必要がなくなってしまった 。
駿 「 なあ長尾 、これからどうするん ？ 写真出回って俺らのファンはパニックになってる 、これから絶対聞かれんで 、どういう関係って 。」
なくなってしまった 、って 。まるで俺が 、無理矢理に理由をつけてでもAに会いたいみたいやん 。
恭 「 … 謙杜 。そろそろ自分の気持ち認めなあかんやろ 。」
高橋くんの声も視線も 、妙に真面目で 。いつものポンコツからは考えられないほどだった 。
謙 「 …… Aはさ 、好きな人がおんねん 。多分何年もずっと忘れられてへん 。ずーっと 、その人のことのことしか見えてないのに忘れようと必死やねん 。」
紙を回収しながら突然Aの話をし始めた俺を 、多分みっちーも高橋くんも変な顔で見ていることだろう 。
謙 「 時々寂しそうな顔するからさ 、俺はそんなAの笑顔を守りたいなって思う 。絶対守ろうって 、それが俺の気持ち 。」
ようやく2人の方を向くと 、なぜだかみっちーは苦しそうで 、高橋くんはハッとした顔をしていて 。こんな話してる時くらい合わせてくれへんかな 、俺がどんな顔していいかわからへんやんか 。
流れた沈黙に 、誰かの足音が乗っかった 。
斗 「 長尾先輩 、ちょっとお話いいですか ？ 」
謙 「 … えっと 、誰ですか ？ 」
斗 「 小鳥遊Aファンクラブ会長の嶋崎斗亜です ！ 」
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 942人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
酢飯(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると本当に話を練ってるかいがありますうれしいです（ ; ; ）今パート2の準備中ですので更新少々お待ちください！！！ (2023年1月18日 16時) (
レス) id: bdf2bf0792 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - お話がとっても面白くていつも更新楽しみにしてます！❤︎ (2023年1月12日 0時) (レス) @page49 id: d0215ee9fd (このIDを非表示/違反報告)
酢飯(プロフ) - 赤身さん» コメントありがとうございます！嬉しいです〜サクサク更新できるよう頑張ります！！ (2022年8月26日 4時) (レス) @page6 id: bdf2bf0792 (このIDを非表示/違反報告)
赤身 - 最高です！更新楽しみにしてます！ (2022年8月25日 8時) (レス) @page13 id: 7933e3d246 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：酢飯
| 作成日時：2022年8月23日 15時
