立派な ページ29
.
you
.
謙 「 あんなぁ 。襲うとか 。言わない 。」
噎せたのが落ち着いたらしい長尾くんが 、じとっとした目で私を見つめては諭すようにそう言った 。
「 なんで 。」
謙 「 びっくりするから ！！ 」
「 うるさっ 。」
いくらこのカフェに人がいないからって 、私たちいつもうるさすぎなのでは 。来たら1回は叫んでる気がする 。
謙 「 まあ 、小鳥遊さんはさ 、」
私から視線を逸らして 、店員さんを探しているのかカウンター席の方を向いた長尾くん 。
謙 「 変な恋愛感持ってるし変な人やし 、どう考えても普通の女の子じゃないけど 、」
綺麗なフェイスラインと 、隙間なく並んだまつ毛がよく見える 。コンマヘアにセットされた前髪の毛先がさらっと目元にかかるのが何だか色っぽい 。
謙 「 俺より背ちっちゃくて腕も足も細くて 、… 本気で恋して弱くなる 。
……… 可愛い女の子やん 。」
「 … っ 。」
それをぐっとかき上げてこっちを見た長尾くんに 、どうしてかドキッとしてしまった 。私の方が数枚上手なはずの 、女嫌いでまともに女の子と関われない長尾くんに 。
「 、自分はかっこいいとか言うなて言うてたくせに 、可愛いとか言っていいん ！？ 」
謙 「 あ 、いや 、それはぁ … 。」
長尾くんがキョロキョロと目を泳がせるのを見ながら 、気づいた 。
年上じゃないしちょっと頼りない長尾くんだけど 、私より背が高くて手も角ばって大きくて 。
謙 「 自然に 、口から出てもうて … 。」
「 … もぉ 、その方がタチ悪いねんけど 。」
彼は 、立派な男の子なのだ 、ということに 。
.
「 はー …… 、よし 。」
覚悟を決めて乗り込んだ 、放課後の国語準備室 。
「 … 藤原先生 、いらっしゃいますか ！ 」
丈 「 はいー 、… お 、小鳥遊やん 、どうした ？ 」
見ぬふりしていた思いが弾けてしまう前に 、言葉にさせて 。
丈 「 また現代文わからんとこあんの ？ それか課題の期限交渉か ？ 」
「 今日はそういうんじゃなくて … 。」
弾けて溢れちゃったらもう 、真っ黒なこの気持ちは抑えておけないから 。
「 … 先生 、好きです 。」
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 942人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
酢飯(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると本当に話を練ってるかいがありますうれしいです（ ; ; ）今パート2の準備中ですので更新少々お待ちください！！！ (2023年1月18日 16時) (
レス) id: bdf2bf0792 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - お話がとっても面白くていつも更新楽しみにしてます！❤︎ (2023年1月12日 0時) (レス) @page49 id: d0215ee9fd (このIDを非表示/違反報告)
酢飯(プロフ) - 赤身さん» コメントありがとうございます！嬉しいです〜サクサク更新できるよう頑張ります！！ (2022年8月26日 4時) (レス) @page6 id: bdf2bf0792 (このIDを非表示/違反報告)
赤身 - 最高です！更新楽しみにしてます！ (2022年8月25日 8時) (レス) @page13 id: 7933e3d246 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：酢飯
| 作成日時：2022年8月23日 15時
