ほんのちょっと ページ26
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kento
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「 先生 ！ あの 、私 、」
待て待て待て長尾謙杜 。何で焦ってんねん俺 。
「 先生のこと 、」
ただ 、好きって文字を吐かれるだけやん 。感情はこもってないねんから別に焦らんでええやん 。
「 す 、……… 好き 、… な 、数字って何ですか ？ 」
謙 「 ちょっと待って ！？ 俺のドキドキ返して ！？ 」
ていうか何やそのヘッタクソな誤魔化し方 ！ 机の上の転がった２本のマイクも呆れて項垂れているように見える 。
「 ちが 、だって緊張するんやもん告白って ！ 」
謙 「 今まで幾千とフられてきた女やろ ！？ 告白くらいでそんなん言うててどうすんねん ！ 」
「 幾千はフられすぎやろ ！ もう手当たり次第に告白してるみたいやんか ！ 」
またいつもの如く言い合いになって 、告白の緊張感なんて無くなってしまって 。何だかどっと疲れてソファに腰を下ろして 、なんか曲入れようかな 、とデンモクに手を伸ばしたその時 。
ダンッ 、という勢いのいい何かの音が 、俺の左耳の側で響いて 。中途半端に伸びた右手に柔らかい熱がひっついた 。俺の太ももの辺りに 、グレンチェックのズボンの上からサラサラと布の感触が落ちてくる 。
謙 「 … 、ぇ 、」
視界がワイシャツの首元と緩められたリボンでいっぱいになって 、ようやく状況を理解した 。
「 好き 、本気で 。」
… 俺の上に跨って 、ソファに手ついて俺の右手掴んで 、真剣な目して 、俺を見つめてる 。
謙 「 、わ 、わかったから 、！！ 」
心拍音が彼女に聞こえるんじゃないか心配になるくらいにはうるさい 。いっそ止まれと思うほど 。
「 … ふふ 、どう 、ふざけてからの真面目な告白は ！ 」
謙 「 わかった 、わかったから退いて ！？ 」
「 キュンキュンした ？ 」
この問いに俺が答えるまで退く気もないらしい彼女 。俺の心中も知らずにヘラヘラ笑っている 。
認めざるを得なかった 。
心臓が破裂しそうなくらいうるさくなって 、小鳥遊さんが放つ甘い香りにくらっときてしまって 、恥ずかしいから早く離れて欲しいのに 、離したくない 。
どこかの誰かに向けられた本気の好きが 、ほんのちょっと 、羨ましかった 。
謙 「 … うん 。した 。」
「 え ！！ 」
謙 「 でもぜっっったい先生にはやったあかん ！！ 」
「 なんでえ ！？ 」
．
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酢飯(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると本当に話を練ってるかいがありますうれしいです（ ; ; ）今パート2の準備中ですので更新少々お待ちください！！！ (2023年1月18日 16時) (
レス) id: bdf2bf0792 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - お話がとっても面白くていつも更新楽しみにしてます！❤︎ (2023年1月12日 0時) (レス) @page49 id: d0215ee9fd (このIDを非表示/違反報告)
酢飯(プロフ) - 赤身さん» コメントありがとうございます！嬉しいです〜サクサク更新できるよう頑張ります！！ (2022年8月26日 4時) (レス) @page6 id: bdf2bf0792 (このIDを非表示/違反報告)
赤身 - 最高です！更新楽しみにしてます！ (2022年8月25日 8時) (レス) @page13 id: 7933e3d246 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：酢飯
| 作成日時：2022年8月23日 15時
