釘付け ページ23
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kento
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「 まあ 、断られたなぁ 、当たり前みたいに 。」
アイスココアの氷が溶け出すのを眺めるだけの彼女が 、ほんの少し瞼を落としてはそう言った 。
「 やっぱり藤原先生も 、年下の女なんて恋愛対象じゃないんかな〜 。妹みたいなもんや ！ とかさ 、言われるんやろうな 、告白したら 。」
あはは 、って彼女の空っぽの笑い声が 、キッチンの方から聞こえてくる調理音にかき消される 。
謙 「 いや 、ちゃうやろ 。」
「 ん ？ 」
違和感を覚えて思わず口をついた否定の言葉に彼女が顔を上げた 。くりんとした瞳が俺を見つめるから 、心臓が大きく脈打った 。
謙 「 妹みたいなもんやとは言われへんのちゃう ？ 言うなら 、教え子やからとか … 実際に教師と生徒やし 。」
「 … ああ 、そっか 、確かに ！ 妹はちょっと盛ったわ 。」
悪い盛りぐせ出ちゃった〜 、とちょけて見せるその表情に混ぜられた僅かな戸惑いを俺は見逃さなかったし 、今日で彼女の真意に一歩近づいた気がした 。
謙 「 … 、辛かったらさ 、」
…… 妹みたいなもん 、って 。誰かが小鳥遊さんに放ったセリフに 、彼女は今もずっと囚われているらしい 。
謙 「 無理して笑わんでも 、いいよ 。」
「 … 。」
色素の薄い茶色の瞳がぐらっと揺れる 。
「 … 、さっきまで意地悪ばっか言ってたくせに優しくせんといて 。」
なんの偽りもなく困ったように微笑んで 、視線を机の上に落とした彼女 。
… 小鳥遊さんに触れられるのは 、嫌なんじゃなくて恥ずかしいねん 。柔らかくて良い匂いで心臓ぶっ飛びそうやねん 。
さっきも寂しそうな顔をしていた彼女にこう言えていたらな 、なんて考えてもどうしようもないことを 、メロンソーダとバニラアイスが混ざり合っていくのを見つめながら考えていた 。
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「 また放課後暇な日LINEして ！ 」
謙 「 うん 、わかった 。」
カフェを出て解散する頃には 、あの儚い表情たちはまるで嘘のように弾ける笑顔で俺に手を振っていた 。駅に向かって歩いていく彼女のスカートが太ももの辺りで揺れている 。
謙 「 … はぁもう 、これなんなん … 。」
自分自身の気持ちがわからない 。小鳥遊Aという存在そのものに釘付けになってしまっている 。
ただ一つ確信しているのは 、彼女の笑顔を守りたい 、と思ってしまっていることだった 。
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酢飯(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると本当に話を練ってるかいがありますうれしいです（ ; ; ）今パート2の準備中ですので更新少々お待ちください！！！ (2023年1月18日 16時) (
レス) id: bdf2bf0792 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - お話がとっても面白くていつも更新楽しみにしてます！❤︎ (2023年1月12日 0時) (レス) @page49 id: d0215ee9fd (このIDを非表示/違反報告)
酢飯(プロフ) - 赤身さん» コメントありがとうございます！嬉しいです〜サクサク更新できるよう頑張ります！！ (2022年8月26日 4時) (レス) @page6 id: bdf2bf0792 (このIDを非表示/違反報告)
赤身 - 最高です！更新楽しみにしてます！ (2022年8月25日 8時) (レス) @page13 id: 7933e3d246 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：酢飯
| 作成日時：2022年8月23日 15時
