ルール ページ20
.
kento
.
なんか悔しい 。2人っきりの放課後カフェ 、緊張してるのは俺だけらしい 。
そしてここで再度言っておくが 、緊張してるのは嫌いな生き物と2人っきりだからで 、断じて彼女が好きだからという訳では無い 。
俺を見てニヤニヤしていた小鳥遊さんが 、ようやくメニューを見始めた 。
「 何がおすすめ ？ 」
謙 「 パスタかな 、あっでもオムライスも美味しいし 、」
身を乗り出して彼女の前に置かれたメニューをめくっていく 。あれもこれもと指を指しているとどんどん俺の意志も揺らいできた 。
デミグラスハンバーグにしようと思ったけどカレーにしよかな … 。
謙 「 カレーも美味しいねんな 、どうしよ 。」
「 じゃあ私パスタにする 。」
って彼女の声がすぐそこに 。パッとメニューから顔を上げると 、彼女の伏せた長いまつ毛が視界いっぱいに広がった 。
謙 「 ちっか ！！ 」
「 いや近づいてきたん長尾くんな 。」
飛び上がってソファに着地した俺のことを不思議そうな顔をして見てくる彼女 。俺はうるさくなった心臓をどうにか落ち着かせようと必死に深呼吸を繰り返した 。
．
「 なあ 、ルール決めよ 。」
彼女がそう言ったのは 、彼女のパスタと俺のカレーが運ばれてきてからすぐのことだった 。
謙 「 ルール ？ 」
「 うん 。現地集合なしと連絡はLINEのメッセージだけってやつ以外は〜 … あとふたつかな ！ 」
謙 「 多ない ！？ 」
「 そんな難しいことちゃうって 。」
パスタをフォークに器用に巻き付けてぱくっと頬張っては 、彼女は心底美味しそうに表情筋を緩めた 。その光景をぼーっと見ていると 、顔の横に人差し指を立てて俺を見つめる 。
「 学校では極力話しかけへんこと 。私の恋愛の邪魔はせえへんこと 。」
２本目の指が立って 、わかった ？ とでも言うように彼女が首を傾げた 。グラスの氷がカランと音を立てて溶けていく 。
謙 「 恋愛の邪魔 、ってなに 。」
「 … 私は年上の男の人しか好きになられへんから 、そりゃ成就せえへんばっかりでしんどいことしかないねんけど 、一切口出さんといて欲しいねん 。」
彼女はまたさっきと同じようにパスタをフォークに巻き付ける 。今まで何度も無謀な恋に敗れて 、たくさん苦しい思いをしたんだろうに 、平気な顔して 。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 942人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
酢飯(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると本当に話を練ってるかいがありますうれしいです（ ; ; ）今パート2の準備中ですので更新少々お待ちください！！！ (2023年1月18日 16時) (
レス) id: bdf2bf0792 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - お話がとっても面白くていつも更新楽しみにしてます！❤︎ (2023年1月12日 0時) (レス) @page49 id: d0215ee9fd (このIDを非表示/違反報告)
酢飯(プロフ) - 赤身さん» コメントありがとうございます！嬉しいです〜サクサク更新できるよう頑張ります！！ (2022年8月26日 4時) (レス) @page6 id: bdf2bf0792 (このIDを非表示/違反報告)
赤身 - 最高です！更新楽しみにしてます！ (2022年8月25日 8時) (レス) @page13 id: 7933e3d246 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：酢飯
| 作成日時：2022年8月23日 15時
