普通の男の子 ページ19
.
you
.
長尾くんの行きつけらしいお店は今どきのおしゃれなお店なのかと思いきや 、ダンディな男性が好みそうな落ち着いたカフェだった 。偏見を言うならコーヒーが苦そうなカフェ 。
謙 「 ここ 、学校の人とかこんから 。みっちーと高橋くんとよく来るねん 。」
「 へえ〜 。」
人気者ならではの悩みの末に辿り着いた場所らしい 。お客さんは私たち以外におらず 、静かに流れるBGMがこの場を包んでいる 。
赤いベロアのソファがレトロな雰囲気を醸し出すボックス席に案内されて 、向かい合って座る私と長尾くん 。彼はなんだか緊張しているらしく 、そわそわしている 。
「 なあLINE交換しよ ！ LINEはすぐ見んねん 。」
ん 、と手のひらを彼のほうに伸ばせば 、おずおずと携帯が差し出された 。QRコードを読み取って 、綺麗な空のアイコンを友達追加 。
謙 「 じゃあこれからはLINEで 。」
「 あと現地集合もなしで ！ 」
謙 「 注文多いなあ 。」
店員さんが私たちの目の前に水の入ったグラスを置いて 、キッキンの方へ消えていく 。
顔を顰めた長尾くんが水をひとくち 。
謙 「 何食べよ 。」
そう言いながらメニューをパラパラめくる長尾くん 。ハンバーグの欄を凝視している 。
… ていうか 、長尾くんってほんまに女嫌い ？ たまにドギマギしてたりはするけど … 。
私がそう思ってしまうくらいには 、長尾くんは普通の男の子 。別に普通に喋るし 、普通にツッコんでくるし 。
謙 「 … ちょ 、何 、見すぎやってさっきから … ！ 」
私にもし 、年上しか好きになれない 、なんて変なステータスがなければきっと 、好きになってたんだろうな 。
「 … 別に 。顔かっこいいな〜と思って 。」
謙 「 ばっ 、あほ 、そんなん言うもんちゃうやろ簡単に ！！ 」
「 んはは 、おもしろい 、長尾くん 。」
なんて 、そんなの別のどこかの世界線の話だけど 。
耳が真っ赤にして程よい血色の唇を忙しなく動かして小言を並べる長尾くん 。
謙「 もぉ 、からかわんといてや … 。」
と恥ずかしそうに頭を掻く長尾くんは可愛くて 、新しい彼の一面を知れたようでなんだか嬉しかった 。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 942人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
酢飯(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると本当に話を練ってるかいがありますうれしいです（ ; ; ）今パート2の準備中ですので更新少々お待ちください！！！ (2023年1月18日 16時) (
レス) id: bdf2bf0792 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - お話がとっても面白くていつも更新楽しみにしてます！❤︎ (2023年1月12日 0時) (レス) @page49 id: d0215ee9fd (このIDを非表示/違反報告)
酢飯(プロフ) - 赤身さん» コメントありがとうございます！嬉しいです〜サクサク更新できるよう頑張ります！！ (2022年8月26日 4時) (レス) @page6 id: bdf2bf0792 (このIDを非表示/違反報告)
赤身 - 最高です！更新楽しみにしてます！ (2022年8月25日 8時) (レス) @page13 id: 7933e3d246 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：酢飯
| 作成日時：2022年8月23日 15時
