6話×目を開けると ページ8
「っ…」
ふと、浮遊感と共に視界が明るくなった。
何度か瞬きを繰り返しながら自分がどうして此処に居るのかを無意識に考えた。
確か、授業中で。
そして……敵連合が来て、私、私は…
「攫われ、……た？」
「あ、起きたんだ。」
「！？」
意識がハッキリとしたと同時に頭上から声が聞こえて私は声にならないくらい驚いた。
反射的に飛び起きると目の前に広がっている光景は想像とは少し違うものだった。
想像していた廃墟の様な汚くて寒いところで殺風景な場所とは裏腹にそこは暖かくてBARのみたいで少しお洒落な雰囲気の場所だった。
そして声の主は……
「随分と長く眠ってたな」
「……っ、」
恐らく私が眠っていた場所であるソファの向いにある同じ形のソファに座っていた。
その人は長い前髪の隙間から見える紅い瞳をギラつかせて前屈みになって此方に手を伸ばした。
その人は紛れも無くあの時の人で、私は本能的にその手から逃げるように体を縮めて咄嗟に払い除けてしまった。
「……ん、で」
「！」
その瞬間、聞こえないくらい小さく呟いてからその手を自分の首元に持っていくと音を立てて首筋を掻き始めた。
すごく怖くて、今すぐにも逃げなきゃいけないのに恐怖で体が動かなくてその人から目が離せなかった。
「いけませんよ死柄木弔。
…彼女は貴方の事を知らないのだから仕方の無い反応です。」
「……あ"ー、そう、か。そうだった。」
ガタガタと足が震える中、また別の場所から聞き覚えのある声が聞こえて即座に其方を向いた。
そこにはあの時の霧の人が此方を見ていて、目の前の人もさっきとは裏腹に落ち着いた声色で掻くのをやめた。
たったそれだけなのに大きな安堵の波が押し寄せて小さなため息が出た。
その様子を見ていたのか、目の前の人は堅く噤られた口元を弧に描いて私を見据えた。
直後、私の恐怖心は倍になって戻ってきた。
「A、やっと逢えたね。
ってお前は俺を知らないんだよなァ……」
『気に食わない』と一瞬不機嫌そうに口を閉じたその人はもう1度口を開けて言った。
「俺は死柄木弔……Aの運命の相手。」
『これからずぅっと宜しくな』
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あむ(プロフ) - 更新はもうなしでしょうか？(>_<) (2018年9月23日 6時) (
レス) id: 96dfa0018b (このIDを非表示/違反報告)
サンクス花蕾(プロフ) - すごい面白いです！続き楽しみにしてます！ (2018年1月13日 13時) (レス) id: 76e3275713 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - この作品がどストライクすぎて更新楽しみにさせてもらってます！文ストや刀剣乱舞の作品もよろしかったらぜひ教えて欲しいです…！ (2018年1月7日 1時) (レス) id: 39f7c3ff15 (このIDを非表示/違反報告)
令(プロフ) - もう弔くんのヤンデレ最高すぎですよ・・・。萌えで毛根死滅しそうです。強引すぎるところとかもうたまんないです！！！今度書いてみようかな・・・。弔くん×ヤンデレ。私得すぎる作品を生み出してくださり有難うございます！！(土下座) 更新応援しています！！ (2018年1月6日 22時) (レス) id: c2c0bf616b (このIDを非表示/違反報告)
月村美輪(プロフ) - うわぁ〜！ ヤンデレだぁ〜！！ 良いですよねヤンデレ！ ヒロアカでヤンデレってあんまり見たことないので、この作品に出会えて本当に嬉しいです！ 更新頑張ってください！ (2017年12月27日 2時) (レス) id: 7580141f77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スメラギ | 作成日時：2017年12月26日 23時
