無責任な言葉 ページ24
朝や。Aちゃんの手を握ったままベッドに寄っかかって寝てもうた。今何時なん、スマホ見たら通知がエグかった。SNSは通知切ってるから、全部知り合いからやけど。でも、その中のフジくんからのメッセージには何でやろ、目が止まってしまってんよ。
『キヨと連絡が取れないけど、一緒に居るなら力にはなってやってほしい』
そうやったわ。キヨくんは個人で活動しとるけど、グループでも活動しとるんやもんな。身内に心配される位今回の件はそれだけ大きかった出来事なんやろ。
フジくんと言えば、役者の女の子に今ゾッコンやねんかな。その話も聞きたいねんけど。まあ、キヨくんがAちゃんの事そんなに好きなんて知らんかったから、同人的に表現すればキヨくんとその子話聞いてる感じ結構お似合いやと思っててんけど、なんかもうあんまり冷かせへんわ。
｢キヨくんの事何処まで知っとるんフジくん｣
『詳しく知らないけど、昔一緒に実況撮ってた女の子が初恋って話は知ってる。もしかして今回の件がその子？俺てってきり……』
｢起きてたんや。そうやで、その子。安心し、フジくんの好きな子の事推しとしてしか見てへんから｣
『色々聞きたい事しかないんだけど、キヨと一緒に居る？』
｢おるおる。ちゃんと連絡しって言うとくわ｣
『ありがと。レトさんも大変そうだけど、キヨの事頼むね』
｢任せとき｣
何が任せときや。フジくんの大事な友達の好きな子の事俺も好きやねんって言えへん位やのに、俺も俺でどうしようって感じやのに。無責任にええ人演じてもうてる。
何往復かさせて、後日フジくんとご飯行こかって話は盛り上がって、時間見れば八時。案外しっかり寝てたわ。Aちゃん起きやーって起こしたらめちゃくちゃ唸ってたけど多分起きるやろ。おはようとは辛うじて返してくれたし。
寝室出たら朝やからなのか何なんか解らんけど不機嫌なキヨくんが立っててそれはそれは威圧感しかないから怖いのなんのって。
｢何でレトさんそっから出てきてんの｣
｢起こしに行っただけやん｣
｢あっそ｣
｢フジくんから連絡来てたで。ちゃんと返したりや｣
｢気が向いたらするわ｣
そのままリビングに行けばなな子さんが朝ご飯作ってくれてた。なな子さん曰くAちゃん本当は朝弱いからちゃんと起こしてきます、ってさ。
ネット大変な事になってますよって言葉残して。
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このお話はフジさんの物語とクロスオーバーされています。
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作者名：なかもと | 作成日時：2019年10月10日 23時
