あんたのハートを射止めてやんよ【rtrt】

45どうかわたしをすくって ページ46

もうすぐ夕方やけどストックの実況撮っとくかって思った矢先、イベントメンバーのチャットから連絡があった。Aちゃんからで、それはもう衝撃的すぎる内容で直ぐに電話掛けたけど、泣いてる声しか聞こえんくて、急に声遠くなったと思ったら嗚咽音聞こえてきてこれはヤバイって本能的に思って、Aちゃん家の住所とか知らんけど確かうっしーの家と近かった筈やからタクシー捕まえてそっち方面へ急ぐ。

途中で他メンバーにAちゃん家の住所教えろって連絡するけど誰からも返事来んくて、代わりに焦ってるキヨくんから電話。


｢A住所送っといたから！俺仕事中で行けねぇんだけどレトさん何あったかわかる！？｣

｢俺も解らへん、電話したら多分吐いてる音しか聞こえんかった｣

｢それやべぇじゃん、仕事終わり次第すぐそっち行くから、レトさんAの事頼んだからな！！｣


ほんまに仕事の途中やったんやろキヨくん、めっちゃ焦った声でバーッ喋ってすぐ切られたけど。運転手さんに住所伝えて、マンション着いて、急いでエレベーター乗って部屋前で鬼ピンポンした。不謹慎やけどAちゃん死んでへんやろな……やめてやそんなん！！


｢レトさん……｣


今にも消えてまいそうな声で俺の名前を呼ぶAちゃんは、目真っ赤に腫らして、その目からまたポロポロ涙を流して声出そうとしてるからごめんって急いでドア閉めて、もっかいごめんって言って抱き寄せたら、大きい声出しながら泣くし、俺にの事めっちゃ強い力で抱き返してくるからよろけてその場にしゃがみこんでしもたけど。

声が外にいかんようにか、俺の胸元に顔埋めて、どうしようどうしよう、って、泣き叫んでて、落ち着いて欲しくて、大丈夫大丈夫って背中擦ってあげることしか出来んかったけど。

急にスマホを俺に見せて来て、見ろって事なんか、顔は上げてくれん。そのままスマホ受け取って画面見たら、配信者を名乗る、俺この人名前だけ知ってるけど暴露系の配信者やん。その人からのメッセージにユウトくんの事についての暴露があるって書かれてて、あー……これこの間キヨくんに見せられたやつ、って。絶句した。


｢レ、ト……さん、おっ、がい｣

｢何？｣

｢こっ、ひとに、メール、……かわ、りっ……うって……しゅっ、出演……しま、すっ……て｣


言われた通り、Aちゃんに成りきって文章を打つ。送信する前に止めたけど、Aちゃんの意思は硬かった。

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