あんたのハートを射止めてやんよ【rtrt】

43穏やかな朝食を君たちと ページ44

起きてきたAちゃんはボーッとしながら、キッチンでさっきの続きを始めとる。顔は眠そうやのにテキパキ作りかけのご飯を完成させていく様は、普段から料理しとる人って感じでかっこいい。めっちゃ大っきい口開けて欠伸しとるけど。

いい匂いが部屋に充満してきた頃合に、うっしーとガッチさんも起きてきて、Aちゃんの手料理に喜んでるっぽかった。


｢はい、お待たせしました。こちらから、甘めの卵焼き、納豆、キヨリクエストの豚汁、湯豆腐、ご飯になります｣

｢旅館かよ、料理出来る女最高だぜAー｣


って言いつつうっしーもガッチさんも朝から豚汁か……って言うてる。お酒を飲む民としては普通のお味噌汁飲みたかったらしい。

いただきまーすって食べたけど、何これ、なんなんこれ、この豚汁、めっちゃ美味しいねんけど。


｢は？豚汁意味わかんねぇ位美味いんだけど｣

｢お酒飲んだ次の日のお味噌汁って染みるんだけど、正直豚汁は……ってなった自分が覆ったわ｣

｢ねー？ガッチさん｣

｢なー？うっしー｣

｢だから言ってんじゃんAの作る豚汁最高なんだって｣

｢勿論卵焼きも美味しいよ｣

｢でへへぇみんなありがとう｣


食器なんて人数分ないっていう前に、スーパーで紙皿とか買って来てて、そう言う所もちゃんと気効くAちゃんは、俺の実家から送られて来ためっちゃ酸っぱい梅干し食べてブスな顔して頭抑えてた。

何かええな、こういうの。合宿みたい。


｢何か合宿みたいじゃね？｣

｢俺も思ったわ｣

｢いいなぁなんか。こう言う企画私やりたいかも｣

｢ええんちゃう？落ち着いたらゲーム合宿とかやろうや｣


キヨくん、うっしー、ガッチさんの六つの目が俺の方を見てくる。わかってんで、その顔はお前がそんな事言うなんてって目やろ。わかってるわかってる。けどええやん、Aちゃんが楽しそうならええやんな。


｢そうや、みんなもっかい言うけど、打ち合わせで言うた通り二週間後正式にイベントの告知上げるからちゃんとみんなもアップしてな｣

｢そん時にもうチケットの詳細とか出すんでしょ｣

｢そうでございます｣

｢四ヶ月後か。四ヶ月後ってもう冬じゃん｣

｢そしたら今度は五人で鍋しようね｣


黙々とAちゃんの料理を食べてるキヨくんとガッチさんは頷くだけで夢中で食べとる。四ヶ月ってあっという間やな。ちょっとしたイベントのつもりやったから小さいステージやけど、多分チケットはすぐ完売するやろな。頑張ろか。

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