あんたのハートを射止めてやんよ【rtrt】

32一人でもいいから声を届けたい ページ33

Aちゃんからグループチャットに三十分程抜けると連絡があって、具合悪くしたんやろかって心配したのと同時に、店の店長が失礼します。って入ってきた。

事情を聞いて何やってんの、って思うし、そう言う所優しいよなってうっしーが呆れてるのか褒めてんのか解らない声色の言葉を発してて。店長はサービスですって料理とドリンクを付けてくれた。ここまでしてくれんのこの店凄いな？……じゃなくて。


「すみません、心配なんで俺もその場に行ってもいいですか」


俺が何してる人間でAちゃんとの関係性、所謂仕事仲間って話をしたら案外すんなり連れてって貰えた。

俺が着いた時には階段に女の子が座って、その下にアイスを持って項垂れてるAちゃんの背中。そっと近付いてアイスを奪って一口。美味いなこのアイス。


「何お節介しとんの」

「レトさぁん！私女の子泣かせちゃいました！」

「ま、マスク、してない、レトさんだ……かっこいい……あっ、つい本音が……あわわ」

「この事誰にも言わんといてな？んで、何があったんよ。お兄さんに話してみなさい」


Aちゃんと女の子の話を全部聞いて直感的に思う事はまずいなって事。まさかここに店員の女の子の他にも視聴者がおったとは。世間て狭いな。

それでAちゃんは女の子を泣かしてしもて、女の子は客に怒ってしまってって感じか。正直、首突っ込まんだら良かったのにAちゃん。


「なな子ちゃんは何も悪ないよ、寧ろナマエちゃんの為に怒ってくれてありがとうやん。恐かったやろうに」

「ちょっとレトさん、またなな子ちゃん泣いちゃったじゃないですか！」

「嬉し泣きやんな？」


ポロポロ涙を流す割に笑顔ななな子ちゃんと少し雑談して、取り敢えず今ある飲み物飲んだら店から出よって話と、店長がさっき言ってたここの出口から出させて貰える事をAちゃんに伝えて先に席戻らせて、この事は誰にもって続ける前に。


「あの！差し出がましいと思うんですけど、私はナマエさんとレトさん、とってもお似合いだと思うんです！だから……レトさん、ナマエさんの事助けて下さい、ずっとナマエさん事追い掛けてる私解るんです、最近辛そうだなって、だから」

「まかしとき。俺がナマエの事助けるから」

「お願いします、レトさんは知らないと思いますが、本当にナマエさんレトさんの事大好きなので」


なな子ちゃんのその言葉は、多分ナマエちゃんのファンの大半の声やろな。

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