あんたのハートを射止めてやんよ【rtrt】

00:これは崩壊のはじまりか ページ1

「ご視聴ありがとうございました」


撮影が終わって一息つく｡今日もヤンデレと戦うゲームを撮ったけど､流石に疲れたな｡このまま編集してもええけど何か食べるか｡

行儀が悪いのは承知で簡単に用意した食事を口に運びつつ､久しぶりにエゴサでもしてみようとSNSを開けば俺のファンらしき人たちが挙っていて、


『ナマエちゃんレトさんのファンなんだ！』だの

『ユウト君､レトさんに嫉妬してる！かわよww」だの

「ナマエさんの実況も見てみたい！あわよくばレトさんとのコラボ希望ww」「それは私得な話なのでは(顎に手を副える絵文字)」だの｡


俺の知らない人物の名前が飛び交っていた｡

え､誰？ナマエチャンって誰？

取り敢えず暇そうなキヨくんにでも連絡してみよう｡「ナマエチャンって知ってる？」と｡まぁ､知らんの一言しか返って来なさそうやけど｡

俺は相当暇やったんか､単純に編集したくなかっただけなんかわからんけど､そのままSNSを
開いてナマエチャンとやらを調べてみれば､どうやらユウト君という人とカップルチャンネルを立ち上げているYouTuberらしい｡チャンネル登録者数も50万人位で俺には及ばんけど人気のある人らっぽい｡

何故俺の名前が上がったかと言えば､二時間程前に彼女たちがアップしている動画の質問コーナーにて､俺の名前が上がったらしい｡詳しくは知らんけど｡


「ふーん」


SNSでナマエちゃんとやらの存在を知り､そこに表示されていたアップ済みの動画のURLを引用して､これは本当にらしくないなぁと思うのはそこそこ未来の話であって､今の俺は単純にファンのみんなに乗っかって純粋なお互いのファンを喜ばせようと思っての行動を取る｡


『(投稿引用)どうやらナマエちゃんは俺の事が好きらしい｡ごめんねユウト君！』


それから直ぐにキヨくんから返答があって､案の定「知らん」の一言｡でしょうね､俺も知らんかったし｡取り敢えず食べ終わった食器の片付けでもして編集して今日はもう寝るか､明日は打ち合わせやし｡目覚ましだけセットしていつ寝落ちしてもええようにしとこ｡


それがAちゃんを知ったきっかけやった｡

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