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HD said
温かい陽の光、噴水の水はキラキラと輝き、柔らかい風が城の中を吹き抜ける。
外に見えるのは、私のお気に入りの木。
この時期になるとその木の枝につく花は満開になり、見ているだけで幸せな気持ちにしてくれる。
こんな日は何もせずにゆっくり過ごすのが良いと思うが、そうもしていられない。
今日は隣国の国王とその娘である姫がこの城へやってくる。
私はその姫と結婚する。
姫は今日初めてこの城にやってきて、初めて私に会い、そしてここでの生活をスタートさせる。
最近15歳になったばかりだと聞いたが、若くして親元を離れ、自分の国も離れ、初めて会った男と夫婦になるという事は不安も負担も大きいだろう。
私も初めてこの話を国王から聞いた時はびっくりした。
ただ、これは自分の役目なのだと思い受け入れる事にした。
私も姫も王族として生まれたからには受け入れなければならない運命なのだろう…
この結婚に愛は無いかもしれない…
でもせめて、少しでも過ごしやすいよう、負担の無いように努めようと思った。
国王と姫が待つ応接間に入る。
若くして、という私の心配は必要無かったかもしれない。
私の前に立つ女の子はとても落ち着いていてどこか大人びた雰囲気だった。
姫のまるでシルクのように美しい髪に1つ、彩りを添えるようにさくらの花びらが付いている。
｢髪｣
｢髪？｣
私は姫の髪からさくらの花びらを取った。
さくらの事を教えると姫はさくらを美しいと言ってくれた。
自分が好きなものを褒められて嬉しかった。
表情が緩んでいたのか、姫は私に｢そんな表情もするのか｣と言って笑った。
私はそんなに無表情だっただろうか？
姫は私を笑った事を怒られている。
｢大丈夫ですよ｣
｢A姫は、さくらの花のように可憐に笑う方なのですね｣
そう言うと、彼女の頬が薄ピンクに染まる。
頬を染め、私の目の前で微笑む彼女を見ると何故か幸せな気持ちになった。
前言撤回する、全く愛の無い結婚という事はないだろう。
なぜなら、ここにひとつの気持ちが芽生えたから。
この気持ちがいつか愛に変わる日が来るのだろうか…
彼女を目の前にしてそんな事を疑う余地は無い。
これから先、出来るだけこの笑顔が絶えずに幸せに過ごして欲しい。
それが、今の私の願いだ。
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揺蕩(プロフ) - ao_314さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです☺︎かなり🐢更新ですが最後まで頑張りますので引き続きお楽しみ頂けますと幸いです\( ˆoˆ )/ (1月2日 14時) (
レス) id: 09fdb0806d (このIDを非表示/違反報告)
ao_314(プロフ) - ヘンドリーの作品があまりないのでめちゃめちゃ嬉しいです！ありがとうございます‼︎もう、最初から泣きそうでした😭 (12月25日 2時) (レス) id: 646af75665 (このIDを非表示/違反報告)
揚羽(プロフ) - 揺蕩さん» うわぁ、ありがとうございます…！面白いと言って頂けて良かったです。distinyのこれからのお話も楽しみにしてます☻ (12月2日 9時) (レス) id: dc7b6890ce (このIDを非表示/違反報告)
揺蕩(プロフ) - 揚羽さん» メンバー内で鎖国してます。を拝見した事があります！お話のまとめ方というか進行の仕方がとても面白くて好きです( ˆ ˆ )続きも気になってます〜！ (11月29日 9時) (レス) id: 09fdb0806d (このIDを非表示/違反報告)
揚羽(プロフ) - 揺蕩さん» あんな拙い作品を読んでくださっていたとは…！ちなみに差し支えなければ、どの作品を…？ (11月27日 19時) (レス) id: dc7b6890ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：揺蕩 | 作成日時：2023年11月20日 13時
