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15歳の誕生日が少しすぎた頃。
私は馬車に揺られてとある場所へ連れて行かれる途中だ。
｢パパ！本当にこんな事しなきゃダメなの？｣
｢こら！お父様と呼びなさい、それにお前はこれから近い将来1つの国を納める王となる方に嫁ぎにいく我が国の姫だぞ！言動と行動を改めなさい！｣
｢国だの王だの、そんなの知らない！｣
｢A！｣
パパが大きな声を出すと丁度馬車も目的の場所に到着したようで少しずつスピードを落としながら停車した。
｢いいかA、私はAの事を愛してる、大事で可愛い私の娘だ｣
｢だがこの結婚にはこれからAが暮らしていくこの国と私達の国の未来がかかってるんだ、だから頼む理解してくれ｣
さっきまで怒っていたはずのパパはそう言って私の手を両手で握り、親指で優しく摩った。
そんな事は私にだって分かる。
でも、国の未来は良くても、愛の無い結婚に夫婦の未来はあるのかしら…
｢お父様、行きましょう｣
私がどれだけ反抗しようと、もうここまで来たら仕方の無い事なのだ、いや、私が私の国に生まれた時点でこうなる事はもう決まっていたのかもしれない。
私は覚悟を決めてお父様の手の中から自分の手を抜いた。
それを見たお父様も何か思う事があったようで複雑な表情をしてはいたけれどすぐに真剣な表情をした。
そして馬車を降りてみるとそこには大きくて綺麗で立派な白いお城が建っていた。
ここが今日から私の家だ。
私の国のものとは作りも違う美しい形をしたお城は余すところなく真っ白の綺麗な状態で、馬車の後ろには手入れの行き届いた色々な種類の花が咲き誇るお庭が広がっていた。
優しい風に吹かれて揺れる色とりどりの花々が私を歓迎してくれているように見えた。
この時、少しだけ気分が良くなったのは私だけの秘密である。
この結婚は私の国とこの国の平和の証としてそれぞれの国王が決めたもの。
2つの国は長い間争い続けていたが、お父様と今の国王は争いごとを好まないタイプで意見があったようだ。
そして国王は他国交流や移民政策にも力をいれているようで、その政策の一環として私と王子の結婚の話しをお父様に持ちかけたそうだ。
国のためのお飾りの結婚、という訳だ。
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揺蕩(プロフ) - ao_314さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです☺︎かなり🐢更新ですが最後まで頑張りますので引き続きお楽しみ頂けますと幸いです\( ˆoˆ )/ (1月2日 14時) (
レス) id: 09fdb0806d (このIDを非表示/違反報告)
ao_314(プロフ) - ヘンドリーの作品があまりないのでめちゃめちゃ嬉しいです！ありがとうございます‼︎もう、最初から泣きそうでした😭 (12月25日 2時) (レス) id: 646af75665 (このIDを非表示/違反報告)
揚羽(プロフ) - 揺蕩さん» うわぁ、ありがとうございます…！面白いと言って頂けて良かったです。distinyのこれからのお話も楽しみにしてます☻ (12月2日 9時) (レス) id: dc7b6890ce (このIDを非表示/違反報告)
揺蕩(プロフ) - 揚羽さん» メンバー内で鎖国してます。を拝見した事があります！お話のまとめ方というか進行の仕方がとても面白くて好きです( ˆ ˆ )続きも気になってます〜！ (11月29日 9時) (レス) id: 09fdb0806d (このIDを非表示/違反報告)
揚羽(プロフ) - 揺蕩さん» あんな拙い作品を読んでくださっていたとは…！ちなみに差し支えなければ、どの作品を…？ (11月27日 19時) (レス) id: dc7b6890ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：揺蕩 | 作成日時：2023年11月20日 13時
