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｢本当に素敵ね！｣
ヘンドリー王子とお庭を見て回ると約束したので、私は久しぶりに外に出た。
部屋から眺めていたお庭は近くで見ると想像以上に綺麗だ。
春の花であるアネモネ、チューリップ、ガーベラ、ネモフィラ、ポピー、ライラック…それぞれの花は区画事にきっちりと整えて植えられていて庭師のこだわりを感じた。
｢A様、いかがですか？｣
｢えぇ、実際に足を運んで見ると違うわね。尚更気に入ったわ｣
｢それは良かったです｣
その時ウィンウィンがこの国に来て初めて笑顔を見せた気がした。
｢ウィンウィン、カモミールはどこかしら？｣
｢ご案内いたします｣
ウィンウィンに連れられてカモミールがあるという所に近づくと小さくて可愛らしい白い花が沢山咲く中で1人の男性が花の手入れをしているようだった。
｢あの、庭師の方ですか？｣
｢あ、はい！｣
そう言って振り向いたお方は本当に庭師なのか？と疑いたくなるほど美しい顔立ちをした男性で、その方はお顔に似合わず頬に土をつけて、私の方を見るとニコッと笑った。
｢もしかして、A姫ですか？｣
｢はい。はじめまして、Aと申します｣
｢テンです、よろしくお願いします。姫様！｣
そう言うとテンは私の手を取り、膝まづいたと思ったら手の甲に顔を近づけ軽くキスする振りをした。
私はビックリしてその場で固まってしまったけれどテンは｢この国では一般的な挨拶ですよ、姫様も早く慣れないとね｣と言って無邪気に笑った。
不思議な人だけど、嫌な人では無いなと思った。
｢カモミール、頂きました｣
｢カモミール？……あぁ！はいはいカモミールね！急に用意しろって言われた時は何かと思ったけど、気に入って貰えたなら良かった｣
そう言って嬉しそうにする姿はなんだか可愛らしい。
｢いつもこちらに？｣
｢基本的にここにいるよ！でもテンはやりたい事はなんでもするかな！｣
｢？｣
｢庭師だけが仕事じゃないって事！｣
庭師だけじゃないって、他には何をしているんだろう…
気にはなったけれどそんな事を聞く隙も無く、そのままテンさんがお庭の案内をしてくれた。
本当に歩いているだけで楽しくてワクワクするようなお庭だった。
だけどやっぱり、隣にヘンドリー王子がいたら良かったのにと、そんな事を思った。
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揺蕩(プロフ) - ao_314さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです☺︎かなり🐢更新ですが最後まで頑張りますので引き続きお楽しみ頂けますと幸いです\( ˆoˆ )/ (1月2日 14時) (
レス) id: 09fdb0806d (このIDを非表示/違反報告)
ao_314(プロフ) - ヘンドリーの作品があまりないのでめちゃめちゃ嬉しいです！ありがとうございます‼︎もう、最初から泣きそうでした😭 (12月25日 2時) (レス) id: 646af75665 (このIDを非表示/違反報告)
揚羽(プロフ) - 揺蕩さん» うわぁ、ありがとうございます…！面白いと言って頂けて良かったです。distinyのこれからのお話も楽しみにしてます☻ (12月2日 9時) (レス) id: dc7b6890ce (このIDを非表示/違反報告)
揺蕩(プロフ) - 揚羽さん» メンバー内で鎖国してます。を拝見した事があります！お話のまとめ方というか進行の仕方がとても面白くて好きです( ˆ ˆ )続きも気になってます〜！ (11月29日 9時) (レス) id: 09fdb0806d (このIDを非表示/違反報告)
揚羽(プロフ) - 揺蕩さん» あんな拙い作品を読んでくださっていたとは…！ちなみに差し支えなければ、どの作品を…？ (11月27日 19時) (レス) id: dc7b6890ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：揺蕩 | 作成日時：2023年11月20日 13時
