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｢ウィンウィンさん、王子にお教え頂いても宜しいですか？｣
部屋の外である程度話しをしてきたのか、クンがそれだけ言うとウィンウィンは続けて話し始めた。
｢A様がお好きなものになりますと色々とあります。ただ、それだけを部屋の外に出る理由にするのは難しいかと｣
｢では、どうすれば良い？｣
｢A様がこの城に来てから気に入っているものがございます、それを理由に外に出れるよう促すのが良いかと思います｣
｢詳しく教えてくれ｣
｢はい、A様はこの城の前にあるさくらの木とお庭が気に入ったと私に話して下さいました。ただ、さくらの木はこの2週間で散ってしまいA様は寂しんでおられましたがお庭にはまだまだ沢山の美しいお花があるかと思います｣
｢なるほど、では庭に出るのを理由にしろという事か｣
｢左様でございます、そして先日庭を散策しましたが、庭の奥の方に沢山のカモミールが咲いておりました。A様はカモミールがお好きで祖国の城ではA様の為にカモミールだけの小さなお庭が用意されたり、A様の為にカモミールティーが作られたりしておりました｣
結局彼女の好きな物も教えてくれたウィンウィンは最後に｢何よりもお気持ちが大事だと思います｣と言って部屋を後にした。
｢どうされますか？｣
｢庭師にカモミールを花束に出来る程度摘んで欲しいという事とそれとは別でカモミールティーに出来るように花もある程度摘んで欲しいとお願いしてくれ｣
｢かしこまりました、花束のお包はどのようにしますか｣
｢いや、そのまま花と包めるものを持ってきてくれないか｣
｢なるほど、かしこまりました｣
そう言うとクンは庭師の所に向かいすぐにカモミールの花と花束に使う装飾品や包み紙などを用意した。
｢それで、これはどうすれば良い｣
｢用意させておいてそれですか？｣
勢いで言ったものの、花束なんて作った事が無いから分からない。ただ、誰かに作らせた物ではなく、自分で作った物を送りたいと思った。
｢王子、ウィンウィンも言っていましたよ。大事なのはお気持ちです｣
私は数ある装飾品の中から1つ、白いオーガンジーのリボンを選び、それをカモミールの花束に結び付けた。
不格好ではあるかもしれないが何とか出来上がり、出来上がった花束を動かすとカモミールの花が小さく揺れた。
そんな愛らしい姿は彼女にそっくりだ。
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揺蕩(プロフ) - ao_314さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです☺︎かなり🐢更新ですが最後まで頑張りますので引き続きお楽しみ頂けますと幸いです\( ˆoˆ )/ (1月2日 14時) (
レス) id: 09fdb0806d (このIDを非表示/違反報告)
ao_314(プロフ) - ヘンドリーの作品があまりないのでめちゃめちゃ嬉しいです！ありがとうございます‼︎もう、最初から泣きそうでした😭 (12月25日 2時) (レス) id: 646af75665 (このIDを非表示/違反報告)
揚羽(プロフ) - 揺蕩さん» うわぁ、ありがとうございます…！面白いと言って頂けて良かったです。distinyのこれからのお話も楽しみにしてます☻ (12月2日 9時) (レス) id: dc7b6890ce (このIDを非表示/違反報告)
揺蕩(プロフ) - 揚羽さん» メンバー内で鎖国してます。を拝見した事があります！お話のまとめ方というか進行の仕方がとても面白くて好きです( ˆ ˆ )続きも気になってます〜！ (11月29日 9時) (レス) id: 09fdb0806d (このIDを非表示/違反報告)
揚羽(プロフ) - 揺蕩さん» あんな拙い作品を読んでくださっていたとは…！ちなみに差し支えなければ、どの作品を…？ (11月27日 19時) (レス) id: dc7b6890ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：揺蕩 | 作成日時：2023年11月20日 13時
