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｢ねぇ、ウィンウィン｣
｢はい、A様｣
私は今、新しく用意された私の部屋の窓際にある椅子に腰掛けてそこから見えるお庭を眺めていた。
私の少し後ろに立っている彼は執事のウィンウィンだ。
彼は私が幼い頃から面倒を見てくれていて、今回も私がこの国に嫁ぐと聞いて国を出て一緒に付いてきてくれた。
｢さくらってこんなに早く散ってしまうのね｣
｢そうですね、私もこの国に来て初めて見たものですから｣
｢儚いわね｣
お庭とお城の間にはさくらの木があり、私の部屋からもよく見えるけど、今はピンクの花はほとんど散ってしまい代わりに青々とした緑の葉がついている。
ここに来て2週間程経った。
あの時覚悟を決めて馬車を出たけれど、やはり新しい土地、慣れないお城、知らない人に囲まれた生活は少なくともストレスが溜まるものだ。
2週間もあれば私が部屋から出る事が少なくなるには充分な時間で、心を落ち着かせようと窓際に腰をかけてあの時一目見て気に入ったお庭とさくらの木を見ていたけど、風に吹かれて花を散らすさくらの花と同じように私の気分も少しずつ落ちていった。
｢たまにはお外に出られてはどうですか？｣
自分の国にいた頃は勝手に外に遊びに行きすぎてしょっちゅうウィンウィンに怒られていたけど、こうやって外に出るよう提案してくるなんて傍から見たら私はよっぽど落ち込んで見えるようね。
そう思ったものの気分は乗らなくてウィンウィンの提案を断った。
｢ヘンドリー王子は何をされているの？｣
さくらの木を見ていて、ふと思い出されるのはヘンドリー王子の事だ。
あれから私は自分の部屋をあまり出ない事もあるけれど、ヘンドリー王子には会っていない。
｢気になりますか？｣
｢聞いただけよ｣
｢そうですか…お忙しくされているとは聞いていますが｣
ウィンウィンは意地悪ね。
確かにその読みは正しい、気になっていないと言ったら嘘になるから。
だけど王子もこの国の王族の1人で次期に王となるお方、公務も勿論あるだろうしお忙しいのだろう。
そんな事を考えていると私の部屋の扉を叩く音が聞こえた。
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揺蕩(プロフ) - ao_314さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです☺︎かなり🐢更新ですが最後まで頑張りますので引き続きお楽しみ頂けますと幸いです\( ˆoˆ )/ (1月2日 14時) (
レス) id: 09fdb0806d (このIDを非表示/違反報告)
ao_314(プロフ) - ヘンドリーの作品があまりないのでめちゃめちゃ嬉しいです！ありがとうございます‼︎もう、最初から泣きそうでした😭 (12月25日 2時) (レス) id: 646af75665 (このIDを非表示/違反報告)
揚羽(プロフ) - 揺蕩さん» うわぁ、ありがとうございます…！面白いと言って頂けて良かったです。distinyのこれからのお話も楽しみにしてます☻ (12月2日 9時) (レス) id: dc7b6890ce (このIDを非表示/違反報告)
揺蕩(プロフ) - 揚羽さん» メンバー内で鎖国してます。を拝見した事があります！お話のまとめ方というか進行の仕方がとても面白くて好きです( ˆ ˆ )続きも気になってます〜！ (11月29日 9時) (レス) id: 09fdb0806d (このIDを非表示/違反報告)
揚羽(プロフ) - 揺蕩さん» あんな拙い作品を読んでくださっていたとは…！ちなみに差し支えなければ、どの作品を…？ (11月27日 19時) (レス) id: dc7b6890ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：揺蕩 | 作成日時：2023年11月20日 13時
