パパ ページ19
｢お姉さん、誰？｣
｢お姉さんって…私？｣
私の目の前に立つ、美しい容姿をした男性がそう聞いてきた。
確かに、私よりかは年下に見えるけど
見た目は明らかに社会人
うちの会社の人なのかな？
｢あなたこそ、誰ですか？｣
｢こっちが先に聞いた｣
なんだか無愛想な人だな…
｢ここのビルのNCTの社員です。｣
｢そっか｣
｢それで、あなたは誰ですか？｣
｢パパ｣
｢パパ？｣
なんの事かと思ったけど、目の前の男性が指を指す先には
私の足元で丸くなっている小さな猫がいた。
｢なるほど｣
｢この子の飼い主って事ですか？｣
｢飼い主…では無い｣
｢え？｣
｢飼ってる訳じゃない｣
｢けど、毎日餌をあげてる｣
そう言ってその人が右手を少しあげると、そこにかかっていたビニール袋がガサガサ揺れて、薄らとだけど中には猫缶が入っているのが分かった。
無愛想だけど、意外と優しい人なのかも…
｢隣いい？｣
｢えっ、良いですけど…｣
｢人が来るので、それまでの間なら｣
｢分かった｣
その美しい容姿の男性は、そのまま私の隣に腰掛けた。
｢この子名前は？｣
｢無い｣
｢そうなんだ、なんか寂しいですね｣
｢そうかもね｣
｢でも、名前をつけるって事はこの子の飼い主になるって事だから簡単にはつけられない｣
｢うーん、なるほど…責任が伴うわけか｣
そんな話をしているうちに小さな猫は起き上がり男性の足元に移動して丸くなっていた。
｢人事部のAさん｣
｢え！？なんで？？｣
｢社員証、丸見え｣
男性の視線の先には私の首からかかる社員証があった。
｢警戒心無さすぎ｣
｢うっ…ご最もです｣
｢あははは、この子と一緒だね｣
そう言って男性は初めて笑顔を見せた
よく見たら派手さのある端正な顔立ちをしていて
真顔だと迫力があるけれど、笑った時にニカッと口角が上がった時は無邪気な子供のようだった。
｢あ、ジェノ君｣
そんな話しをしているうちに遠くからお弁当を持ったジェノ君が、こちらに向かっているのが見えた。
｢じゃ、俺達はこの辺で｣
男性がベンチから腰をあげると小さな猫も同じタイミングで起き上がった。
｢Aさん、またね｣
｢あ、はい｣
そう言って男性がどこかへ行くとその後ろを小さな猫もついて行ってしまった。
またね…？
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揺蕩(プロフ) - 凛さん» またまたコメントありがとうございます！励みになります！楽しんで頂けているようで何よりです😊出来るだけ全員登場させたいと思っているので、その分お話も寄り道が多くなるかと思いますが引き続きお楽しみ頂ければと思います🙇🏻♀️ (10月23日 17時) (
レス) id: 09fdb0806d (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - ちょ、ジャニさんのお題..！気になります！しかしなんて幸せな世界線でしょう。本当に私こういうお話探してました🙈楽しー。ちなみに要らん情報ですが、シャオテンヤンペンの威神ペンなので、威神さん達の登場も密かに楽しみにしております。 (10月23日 10時) (レス) @page31 id: f825413662 (このIDを非表示/違反報告)
揺蕩(プロフ) - 凛さん» 初めまして！コメントありがとうございます。又、とても嬉しいお言葉もありがとうございます。日々の楽しみになれる様に更新頑張りますので、これからの展開にも期待して頂けますと幸いです😌 (10月16日 10時) (レス) id: 09fdb0806d (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 初めまして。ネオカルの社会人系のお話を発見できて嬉しいです！ドヨンさんが王子様なのですね✨素敵ですー✨日々の楽しみに加えさせて下さい。 (10月15日 20時) (レス) id: f825413662 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：揺蕩 | 作成日時：2023年10月9日 17時
